EVERY SATURDAY
8:00 - 12:00

TOKYO GAS
LIFE IS A GIFT

10:10 - 10:40

この番組は、毎週、ある一人の人間の人生にフォーカス。誰もが知っている有名な
ワンシーンの裏にあったストーリーから、知る人ぞ知る隠された感動の出来事にも
クローズアップし、さまざまなエピソードや音楽とともに綴る30分間のプログラムです。

BACK NUMBER

2017.5.6

脚本家・大野裕之

京都ならではの「お値段設定」について注目した、大野裕之さんによる著書「京都のおねだん」。京都の人が、何にどれだけ支払うという価値基準が意味するものとは、いったい何なのか?著者の大野さんに伺いました。

「僕は、あるお茶屋さん、ある芸妓さんから聞いた話で、舞妓さんと芸妓さんの経済体系がまったく変わっているという話を聞きました。
舞妓さんはまず、お着物も含めて、お稽古代も含めて全部置屋さんが負担しはるんですね。例えば文房具屋さんに何か買いに行ったら、あとから全部置屋さんが払ってはりまして、要するに何が言いたいかというと舞妓さんは財布を持っていない。つまり物の価値がそんなに分からないわけなんですよ。だからお金のことを気にせず、ぼやんとしてることも多いんですよね。それに対して、芸妓さんにならはると、今度はいわば個人事業主でありまして、芸妓さんがお客さんをとってきて、サービスをして、そのぶんだけもちろんお金をいただけるということになるんですね。自分で稼いでいますから、本当にサービス精神が旺盛で、お客さんを本当に楽しませるわけです。ということで、いわば萌え系の舞妓ちゃんと、すごくサービス精神旺盛な芸妓ちゃんていうのがセットになって京都の花街を支えていると。で、この最強のキャラクター設定のコンビが、実は演じてるわけでなくて、経済体系からできていると、あ、これはお値段を通じて、一見非常に特殊でわかりにくいとされている京都の文化が、このお値段を通じてわかってくるんじゃないかと思った、それがこの本を書こうと思ったきかっけです。」

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