<ヨーロッパ・ツアーを振返ってみます>
さて皆さん、暖かい(温かい?)っスねぇ。例年ならもっと寒いハズなのにイギリスもだったけどNYもあったかいんですよ、19度〜20度もあって…怖い気もしますね。北極の氷も溶けている訳ですけど、ツンドラの永久凍土も溶け出しているので、その中の何万年前に閉じ込められた「メタン」がもし大気中に出てしまうと、もう一巻の終わりですね。メタンっていうのは、CO 2の10,000倍の温暖化の力を持っているガスなんですよ。…といきなりな話題でしたが、10月はヨーロッパ・ツアーに出かけていましたので、ツアー・ボケしてますけど(笑)、今夜のオンエアはそのへんの話題を中心にお送りします。
<手作り感覚、アットホームなエレクトロニカ・ツアー>
今回のヨーロッパ・ツアーはAlva Noto、本名:カーステン・ニコライとのツアーでした。現在40才。最初に会ったのは8年前のNYで、彼は元々アートスクール/ビジュアル・アート出身で、美術作家としての活動の方が有名だったんですが、10年くらい前から音楽活動やレーベルを始めて。ボクがリミックスをお願いしたり、スタジオに遊びに行ったりしてる中で一緒に作った作品が、ヨーロッパを中心に評判良くて。それでもらっていたオファーをまとめて今回のツアーが実現した、という感じですかね。ちなみに「能登半島」の存在も知ってましたよ…後で知ったそうですけど(笑)。
今回、ベルリンのテーゲル空港に着いたらカールステン本人が車で迎えにきてくれて…(笑)。彼のアパートから2〜3分のトコにあるホテルに泊まったんですが、もうなんか手作りの感じのツアーみたいで。カールステンのいつも使ってるスタジオに、ピアノや機材を持ち込んでリハーサルしたり、カールステンの娘さん3人とランチを食べたり。とにかくアットホームなエレクトロニカでしたよ(笑)。
<今のドイツには壁が必要…!?>
今の旧東ベルリンっていうのはすごく静かで落ち着いているんですよね。寂れていてもいるかな。西側があまりにも商業主義的な毒々しい感じなので、ちょっと滞在したんですが息が詰まるような思いですぐ戻ってしまいました。なので僕は「壁を再構築しよう」というキャンペーンを始めようと思ってるんですが…。壁が壊れた場所にはまったく新しい街、ハイテク・ビルが出来てて、ホント一部だけ壁が残されているんですけど、みんな壁の事を忘れてるのね、もう。あとそうそう、車で移動しながら思ったんだけど、ドイツ中ね…風車だらけ。もの凄い量。飛行機からも見える50mくらいの大きさで、あちこちにあるから「あまりにも大くてウンザリする」なんて思ってしまった…人間って贅沢だよね(笑)。
<世代と世代を繋ぐライブだった>
おもしろいエピソードがあって、イタリア公演の後、カールステンがクラブに行ったんだって。そしたらクラブのVJがカールステンのファンで声をかけてきた。彼の両親が、僕たちのライブに来てて、会場から彼に電話をしてきたんだって。「とにかく来い、スゴイぞ」って。だけど彼は仕事で行けなかったらしいんですよ。 Ryuichi Sakamotoという名前って、若者たちの両親くらいの世代が、みんな映画音楽(ベルトリッチとか)のイメージで綺麗なピアノを期待して公演に来てくれるんですけど、今回のツアーはコレでしょ、この音楽でしょ。スゴク戸惑った人が多いと思うんだけど…、でも10公演ね、最後はみんな引き込まれてるんですよ、何故か。それで、その両親にしてみれば、息子がやってるような映像や音楽に近いから「観に来い、観に来い」って誘った訳でしょ(笑)。そこでカールステンと話していたのが「ボクらはジェネレーションをブリッジしてる」と。違う世代と世代を繋いでるよね、やって良かったよね。っていう。
「カルーステン・ニコライとの対談部分」や「ヨーロッパ・ツアーの話」はPODCASTINGでのインターネット配信予定があります。詳細はこのHPでお知らせします。お楽しみに!! |
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▼オーディションコーナー
<オーディション総評「ボクのiPodに入れたい曲ですよ」>
今回もたくさんのオーディション作品どうもありがとうございました。教授曰く…
「ボクの曲を切り刻んだ曲、更にその上に別のメロディをのせた曲、日本語レディオヘッド(なりきり君)…も大切な事だと思うし、朗読+音楽という新しい展開もあった。リアルタイムでパッドを叩いてる曲とかもカワイイと思ったし…うんうん」
…という事でした。更には「ボクのiPodに入れたいんだけど、いいですか」というお気に入り発言も飛び出しました。
オーディションに関するお知らせ
次回のオンエア分から、このradio sakamotoオーディションをPODCASTINGでインターネット配信することになりました。すでに著作権管理団体に登録している作品の応募は受け付けられませんので、ご注意ください。 |
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