「坂本龍一です。2ヶ月ぶりですね。いま僕はローマに居るんですけど、今回のヨーロッパ・ツアーは寝台付きのバスで移動してるんですが、けっこう揺れるので眠りが浅いです (でも一緒に回ってる若い人たちはよく寝てるみたいなので、眠りが浅いのは年のせいかも!? 笑) 。ちょうどこのオンエアが流れる頃はパリで演ってます。毎日毎日、移動続きなので、今回は助っ人として、ゲスト・ナビゲーターをお三方お迎えします。」
<音が良くて、うっとりしちゃって…。>
今回のオンエア1曲目 - Mira Calix「The Chord Is Cut (Scene 6)」最近、オンラインで購入したんですけど、Warp (Records) のアーチストなんですね。 |
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「今回のツアーは珍道中です、ほんと旅芸人ですね (笑) 大変なことはいっぱいありますけど、ツアーのクルーが良いのでね。もう、季節がふたつくらい過ぎ去ってしまうような気がしますけどねぇ。今回、はじめてイタリア・パレルモ (シチリア島) の屋内で演りまして、 "テアトロ・ポリテアナ・ガリバルディ (Teatro Politeama Garibaldi) " という街の中心部にあるシアター、ここがものすごく音が良くてびっくりしましたね。見た目も凄いんですけど、外観や内装なんかも素晴らしくて。19世紀の後半にできたシアターなんで、かなり古いんですけど。もう、音が良くて、うっとりしちゃって…。音が良いと弾きやすいですねぇ。今までいろいろなところで演奏してきましたけど、三本の指に入るくらいです。」
<メロディーが呼ぶ言葉>
11月23日には、東京・Bunkamura オーチャードホールにて「大瀧詠一 "A LONG VACATION" トリビュートコンサート」が行われます。レコーディングに参加した全10アーティストが勢ぞろいします。 |
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それでは、ゲスト・ナビゲーターのご登場、まずは大貫妙子さんです。
「大貫妙子です。坂本さんとは30年以上のお付き合いになりんですけど、本人からお願いされたら、すぐにお受けいたしますよ。近況を申しますとですね、大滝詠一さんの名盤中の名盤『A LONG VACATION』のトリビュート・アルバムとトリビュート・コンサートに参加します。お話を頂いたとき、どれをカバーしたいですかと聴かれたので、3曲ぐらい申し上げましたところ、アルバム1曲目の「君は天然色」をカバーしてくれと言われてですね。いいのかねぇと思ったのですけれど (笑) 。客観的に聴いてみても、なかなか爽やかで良いですね (笑) 自分で言うのもなんだけど。ふだんは自作自演がほとんどなので、良くできてるなと、しみじみ思いました。歌詞がすごく良い。メロディーにきちんと乗っかる言葉、メロディーが呼ぶ言葉っていうのがあって、歌いやすいんです。」
「私自身のコンサートは終えたばかりなんですけど、年末はですね、"Ryuichi Sakamoto Playing the Piano featuring Taeko Onuki" にゲストで参加させていただきます。坂本さんにとっては凱旋コンサートということで、ヨーロッパで弾きに弾きまくった、脂ののった状態だと思いますので、私もですね、体調を整え、お風呂に入り、歯も磨き、身体もキレイにしてですね (笑) 参加させていただこうと思います。」
<エレガントな振る舞い、さすがです。>
つづいてのゲスト・ナビゲーターは、やくしまるえつこさんです。
「やくしまるえつこです。坂本龍一さんの番組にお呼ばれしてやってきました。坂本さんとは、7月に、山下洋輔さんの日比谷野音でのライブでたまたまお会いして、その時はじめてご挨拶させていただきました。WORLD HAPPINESS 2009 に出演したときにもお会いしましたが、とても紳士的な方です。背が大きくて、きれいなお顔でした。想像よりもっと、足長おじさんのようなイメージでした。でも後から聴いた話では、はじめてお会いしたときは、私が本当にやくしまるえつこかどうか少し信じられなかったようです。そんなことは微塵も感じさせないようなエレガントな振る舞いでした、さすがです。YMOのライブを間近で観させていただきましたが、肉体的で、みなさんセクシーでした。坂本さんは演奏中に旗を振ったりして、とってもチャーミングでした。幸宏さんは、あの時点で既にたくさんお酒を飲まれていたとは思えないほどクールでした。細野さんは、すごく、ファンキー。」
(J-WAVEのCDライブラリーにて) |
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「さて、最近、やくしまるは何をやっているかというと、まず、たくさんライブをしています。そして2010年1月6日に発売予定の相対性理論と渋谷慶一郎とのコラボレーションによる、トリプル・シングル「アワーミュージック」のレコーディングをしています。忙し。また、わたし、やくしまるえつこは「おやすみパラドックス/ジェニーはご機嫌ななめ」をリリースしました。「おやすみパラドックス」は、近田春夫さんに曲を書き下ろしていただきました。不思議な曲です。また「ジェニーはご機嫌ななめ」は、高橋幸宏さんにアレンジしてもらいました。よく聞くと、たくさんの音が隠されているので、ぜひ、探してみてください。ね。ちなみに、レコーディングの時に幸宏さんにお聞きした坂本さんの数々の武勇伝は、ここではお話できません。」
<草食系の気分が分かる肉食。最強ですね (笑)>
そして最後のゲスト・ナビゲーターは、湯山玲子さんです。
「湯山玲子です。教授とは、commmonsのウェブサイトで "男女口論" というものをやっています。お互い脳は同じですが、男として女として、生きる社会や視点が違うというところで、世の中の由無し事を語っていくという対談です。坂本さんと対談をやっているとね、それがどうも、男の人と話していると思えないっていうことがあるんですよ。"ガールズトーク" ってありますよね、よく女の子たちが愚にも付かないことをさ、ずーっと2時間とか3時間とかしゃべるっていう。井戸端会議とも言うかな。そんな感じを作ってくのがすごく上手い、珍しいタイプの男の人だなと思いましたね。男性っていうのはどちらかっていうと、その話題が終わると節目を付けてく人が多いですが、坂本さんの場合は、話がフロウしていっても全然関係ない話題が出てきたり、私がどんどん脱線しても、転がって拡張していく感じを恐れない (笑) 。非常に、両性具有というんですか、ガールズ・トーク系の広がりの会話の転がりを楽しめるっていう脳みそっていうのは、かなり面白いなと思います。話してて分かるんですが、非常に感情的な人なんだけど、その感情に論理を乗っけていくことが上手いのかなぁ。最近よく、男性を "肉食系・草食系" っていったりしますが、坂本さんをそれでいうなら、"草食系の気分が分かる肉食" という。最強ですね (笑) 」
「いまの世の中の、方向、消費マーケティングって、すべからく女性向きというか。何かをヒットさせようと思ったら、まず女性マーケットを考えずにはいられないんですね。理由のひとつとして、男性たるものシリーズの「戦争」── これをやっていると世の中は大変なことになる、ということで、予め戦いは封じられている、と。この "去勢" されてしまっているような世の中で、男性も生きていかなければならないので、適用として "草食" 化するのだと思うんですが、坂本さんは絶対に分かっていて、それを取り入れようとしていると思います。それ故にね、彼は "女性に期待している" って、私によく言うんですけどね (笑) 。ただ私がね "男が作ってこれだけダメな社会を、今更、女が作り直して、もっと良くなる訳がない。って話すと、彼は笑っているんですけどね (笑) 」
湯山玲子。クリエイティヴ・ディレクターとして雑誌、単行本、広告ディレクション、プロデュース、執筆など、主に出版分野で活動。振袖姿で寿司をふるまうパフォーマンスを繰り広げる<美人寿司>で知られているほか、日大藝術学部文芸学科では非常勤講師を務めている。坂本龍一の主宰するcommmonsのサイトでは教授とともに「男女口論」を不定期で連載している。
■湯山玲子さんの公式blog。ほんとにパワフルな。
http://yuyamareiko.typepad.jp/
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<オーディション・コーナー>
今回もたくさんの投稿ありがとうございました。作品数が増え、それぞれの楽曲のオンエア時間が短かくなっていることについて、「本当は楽曲を、もっと長い時間オンエアしたい」と、教授がつぶやいていました。後日アップロードいたします Podcast の方でぜひ、じっくりと各作品をお聞きください。
オーディション・コーナーで紹介した作品はこのサイトでも試聴できます。またコーナーは、全体を世界へ向けてポッドキャスティングでインターネット配信しています。すでに著作権管理団体に登録している作品の応募は受け付けられませんので、オーディションに応募される方はご注意下さい。
※オーディション応募作品をじっくりと聴けるポッドキャスティングは近々このサイトにUPされます。お楽しみに! |
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■教授のヨーロッパ土産をプレゼント!
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