「こんばんは、U-zhaanです。2ヶ月に1度お届けしているレディオサカモト。 現在、ニューヨークで病気療養中の坂本龍一さんに代わって、今回も僕、U-zhaan がお留守番を担当させていただきます。こうやってお留守番を担当させていただくようになって、もう1年近く経つんですけれども、一向に慣れてくる感じがしません。教授を……お待ちしております。」
「今回のオンエアは、最初に、先月6月5日だったかな……に、僕あの伊勢丹の新宿店のブラジルナイトみたいなイベントがあったんですけど、そこでなぜかアート・リンゼイさんとデュオライブを演ることになってて。伊勢丹の2階の婦人服売り場でアート・リンゼイさんと二人っきりで演奏したんですけど、もうその日がお会いするのも初めてで、いっしょに演奏したことももちろんなくて、っていう状況で、サウンドチェックも儘ならないまんま、始めた1曲目の音源というのが、なぜかここに届いているので、それをちょっと聴いてみましょう。アート・リンゼイとU-zhaanで、そのとき演った曲は「ボセナオ・エンテンデ・ナダ」っていう曲だった、ようです。」
そんな、アート・リンゼイさんから教授へメッセージが届きました。
「ニューヨークでまた坂本さんとライブができて、とても楽しかったです。皆さんご存知の通り、坂本さん自身もブラジル音楽に精通していますし、ブラジルのミュージシャンたちも、今回、坂本さんと共演できたことをとても喜んでいます。ブラジルで2週間、リハーサルしたあと、ニューヨークでも1週間リハーサルして、リハーサルだらけだったんですけど、結果としてすごくいいライブができて、本当によかったです。」
さあそして今回は、デモテープ・オーディション コーナー拡大です。
「ここからいっしょに番組を進めていってもらおうかと思ってます。蓮沼執太くん、よろしくお願いします。」
「よろしくおねがいしまーす、蓮沼執太です。」
「執太はアート・リンゼイさんと交流あるんだよね。」
「アートとはですね、去年ニューヨークに行ったときに、何回かアート・リンゼイがライブしてたんですよね。そのときに、ライブのレコーディングをちょっと手伝った、っていうのがありましたけどね。エンジニアみたいなもんですね。なんか、アートのライブ・パフォーマンスを撮ってる映画監督がいて、彼の手伝いをしてたんですよね、たまたま。」
「いっしょに演奏したことない?超大変だったよ。」
「演奏はないね。いや、なかなかだね……。」
「サンバとボサノヴァらしいんだけど、もうぜんぜん曲も分かんなくて、「これ何するんですかね」って演奏直前、2分前とかに聴いたら、「ここに今、6曲分、曲の名前が書いてあるから、この曲を、下から順に演奏するから」って言われて……」
「はっはっは(笑) 下から、なんだ。」
「下からも上からも、「僕、1曲も分かんないんですけど」って、アートさんに言ったら、「Ok, Very nice!」って言われて。心が折れないようにしよう、っていう自分の気持ちが自分に、ひしひしと伝わってくる演奏でしたね。」
「はっはっは(笑)」
「ライブの前々日くらいに、俺、突然不安になって、なんか、小山田圭吾さんがアートと演奏したことがあるっていうのを聴いたから、小山田さんに電話してみたのね。」
「おお」
「どんな感じの演奏する人なんですか。チューニングとかどうしたらいいんですか。って聴いたら、「あ、いやアート・リンゼイは、ギターのチューニングしないよ。」っていう。「ギターのチューニング、ベロベロのまんま、適当に乗り込んでくるだけだから、もう自分のチューニングしても意味ないし、逆にチューニングしてると怒られるよ。」って言われて……」
「はっはっは(笑) 毎回、あんなに必死こいてね、チューニングしてるU-zhaanが可哀想だね。」
「ほんとに怒られるかは知らないよ。で、どうやって演奏してるんですか、ふだんは。って聴いたら、「俺が演るときは、いつもコードのバッキングをするすごいうまいギタリストがいっしょに居るから問題ないけど、U-zhaanはアートとふたりで演るの?」はい、そうです。「あー……大丈夫だよー。」って言われただけだった。何のアドバイスにもならなかった。」
「あっはっはっは(笑) アドバイスだよ、大丈夫だよ、は。」
ということで、蓮沼執太君を迎えてのデモテープ・オーディション パート、前半戦は、7月オンエア分に向けて送られてきた中での優秀作の発表でした。
「ということで執太。オーディション コーナー、どうでしたか。」
「僕も音楽を作る人ですけれどね。坂本さんにね、聴いてもらいたいと思って送ってるデモ音源にね、コメントするのは恐れ多いというか、恐縮ですよねという。もちろん坂本さんも聴いてると思いますけど。」
「うん。」
「まだ社会に出る前というか……世界に出る前の音楽じゃないですか。なんかそういうプライベートな音楽っていうのを聴けて、非常に、僕も勉強になりました。」
「うーん。勉強になるっていう感じは、分かります。」
「どうですか、U-zhaanは。何回かオーディションパートをやってみて。」
「まあでも、これだけ幅広い音楽が送られてきているオーディションの番組はここだけだと思うよ。」
「そうだね。つまりその、坂本さんのそういう、こう……坂本さんだったら聴いてくれるだろうっていうのがあるじゃん。」
「教授に聴いてもらいたいっていう気持ちは、すごく分かるよね。」
「ま、これだけジャンルの幅広いデモテープが集まるっていうのは、たぶん坂本さんのその……リスニングの寛大さというか、いろんな音楽の面白い要素とかを知っているから、もしかしたら坂本さんだったらこう、聴いてくれるかもしんないっていうみんなの思いが詰まってて、それがこう自然とクロスオーバーしてるジャンルになってる感じがしますね。」
■オーディションコーナー「NOMINEES #61」は、こちらから。
|
|
続いてデモテープ・オーディション、後半戦は長嶋りかこさんを迎えての「歌ものスペシャル」です。
「ここからは、僕、U-zhaanと……」
「わたくし長嶋りかこでお届けしていきます。」
「さてデモテープ・オーディション、後半戦です。優秀作の発表なんですけど。今回は、長嶋さんがこないだあのー……「りんごりんごりんご」っていう、5*SEASONさんの歌を激推ししてたことによって、なんか歌謡曲がすごく好きなんじゃないかと思われたらしいですよ。」
「ふふっ(笑) ……そういうことなんですね。(台本を見ながら) ご要望にお応えして、って書いてある(笑)。」
「要望したの?」
「してない(笑) ……してないです。」
「今回はその歌ものを、長嶋りかこさんに聴いていただこうっていう。」
「そうなんだ、なるほど(笑)。」
「教授からのサービス精神で、こういうコーナーが設けられたらしいですけど、今までに応募されてきた歌ものの作品で、教授が選んでいなかったものを中心に。今回もう一回、新しく……」
「ねぇ、あらい……洗いざらし。」
「洗いざらしじゃないでしょ。洗い出し……」
「洗い出し!ふふふふ(笑)」
「洗いざらしはあの、白いTシャツとかに使う表現じゃないですかね」
「そっか(笑)。そもそも、こんな私が……ど素人が審査していいのかっていうので、まず、私の審査の基準は、ふふっ(笑) ……私の審査の基準は、カラオケで歌いたくなるかどうか。あっはっは(笑) ……歌いたい、口ずさみたいって思うかどうか、っていう。」
「ぜんぜん選んでたのと違うじゃないですか(笑)。ねぇ、掘り起こし作品……」
「歌ものはこんなにたくさん、あったんですね。」
「もしかしたら、あのさっきのは、洗いざらしって言ったのは、掘り起こしって言いたかったの?」
「あ、そんな、感じです(笑)。そのニュアンスを伝えたかった。」
「一番、カラオケで歌いたい曲はどれでした?」
「え、こん中で?いやー、「僕らのうた」かなあ……よかったです(笑)。」
「結構ハードル高いの、歌いますね(笑)。じゃあ、カラオケトラックを送ってもらいましょう。」
「いただきたいです、ぜひ(笑)。」
■オーディションコーナー「歌ものスペシャル」は、こちらから。
|
|
東北ユースオーケストラからお知らせ。
「さて、東北ユースオーケストラからのお知らせというのが届いてますね。岩手県、宮城県、福島県に住んでいる、東日本大震災を経験された、小学生、中学生、高校生、大学生を中心とした楽団なんですけど。坂本龍一さんが代表を務めていらして、演奏活動を通じて子どもたちの心の復興をはかり、世界に通用するような音楽家の育成、排出を目指しているような、そういうオーケストラなんですけど。その東北ユースオーケストラが、この夏、8月17日から沖縄の宮古島で夏合宿を予定してるそうなんですよ。教授は参加できないみたいなんですけど、メッセージが届いています。「この瞬間にしかできない大きな経験をさせてあげたい。」ということなので、もしお知り合いの方で、参加を見当されている方がいたら、ぜひ、ユースオーケストラの方に連絡を取ってみてください。」
CIBO MATTOのお二人からメッセージが届きました。
「レディオサカモトをお聴きの皆さん、こんばんは、CIBO MATTOの本田ゆかです。ハトリミホです。うーん、日本やっぱりいいですね。深いですね。楽しいし……なんかこう、明るくしようという気持ちがみんなの中にあって、それがすごく新鮮です。京都と神戸と、名古屋、東京に行ったんですけど、その地方地方でとても素敵なものが……または素敵な事件がいろいろあって、おもてなしといのがあるじゃないですか。それを改めて、日本人でありながら、こう帰ってきて、感じました。」
「先月、来日されていたCIBO MATTOのふたり。本田ゆかさんとハトリミホさんからメッセージをいただきました。教授と麻婆豆腐を食べにいきたいという、謎の発言もあって……」
「ねぇ、U-zhaanとカレー食べに行きたいっていうところから、急に話が麻婆豆腐に飛んでたね。」
「最近、俺、ブームなのは……納豆カレー。納豆をカレーに入れるんじゃなくて、納豆でカレーを作る……っていうのを、マニプル州の部族料理を習って、それすごい作って食べてる。日本の納豆で大丈夫、とっても美味しいよ。」
そして今回は、相対性理論 やくしまるえつこさん、Open Reel Ensembleの吉田悠さんと佐藤公俊さんからもコメントが届きました。しかも相対性理論「ウルトラソーダ」をラジオ初オンエアさせていただきました。
続いて、大好評だったオノ セイゲンさんとサウンド&レコーディング・マガジンの國崎晋さんによる特別対談が今回も行なわれ、その模様をオンエア。
「このパートは、オノ セイゲンが担当します。えー、ゲストの國崎さん、よろしくお願いします。」
「こんばんは、サウンド&レコーディング・マガジンの國崎でございます。前回に引き続いて、連続の登場となってしまいました、わたくしたちですが。」
「ね。ま、我々で音質に関するところとか。こないだ結構マニアックな話……したんですよね。」
「どうせ1回しか出ないだろうと思ったんで、マニアックしゃべり逃げをしたつもりだったんですけれども。」
「なんか好評だった、っていう……」
「らしいですね。ちょっとびっくりして。まさかのもう一回出てくれと、いうことで、今日二人で呼ばれてしまったわけなんでございますが。今日のテーマは、アナログ。」
「アナログレコードです。」
「ちょっと今、また流行ってきましたよね、アナログレコード。いまセイゲンさんが持ってらっしゃるジャケットは、坂本龍一さんが今年の4月に開催された、RECORD STORE DAYに向けて作られたアナログ盤、『The Best of 'Playing the Orchestra 2014'』です。」
「3枚組なんですよ。カッティングしたのは、東洋化成の手塚(和巳)さんていうベテランのエンジニアなんですが……」
「カッティングっていうのは、何ですか。」
「昔だとアナログのテープを再生して、それをLPの溝に刻んでいく作業なんですよ。外側から内側に向かってぐるぐる針が回って、針が中に進んでいくというですね。そういう仕組みになっていますね。」
「そのLPをプレスする、大元となるような盤を作る。カットする、刻みをいれる作業。で、セイゲンさんはカッティングではなくて、何をやられたんですか。」
「僕はですね、カッティング……しやすい、音のDSDマスター(5.6MHz)を仕上げるということをやりました。それはね、なんでそんな事が必要かというと、聴こえてる音がぜんぶそのまま全部LPに入るという訳ではないんですね。」
「前回の放送のときに、音の器っていう話をしたじゃないですか。CDより広い、ハイレゾっていう器。で、LPっていうのは器としては大きいんですか、小さいんですか。」
「中くらいなんですけど、すごくきめ細かいんですけど、ダイナミックレンジとか周波数特性っていうスペックだけ見るとね、そんなにないんですよ。まあカセットとは言いませんが、アナログテープよりも小さくなる。アナログテープに非常に近い特製ではあるけど、LPってのはね、再生できない事があるんですね。」
「つまりその器としてのある種、限界というか、特製があると。例えばできないことって何ですか。」
「LPって、溝をこう1本の針でトレースしていきます。で、CDとかテープだったら、例えばツインドラムで左のスピーカーと右のスピーカーにドラマーを二人、置いてみようとかね。あるいはキックが左にあって、違う楽器が右にあってとかね。そういう編成もあると思うんですけど、左右にこう、リズム成分、低音成分がパンニングされて分かれてる。こういうものは実はLPは一番苦手、なんですよ。」
「できないというよりかは、苦手なんですね。もし、そういう音を入れちゃうと、どうなるんですか。」
「そうするとね、歪んでしまう。か、ひどい場合は、針飛びを起こしたりですね。」
「うまく再生できなくなる。そういったところに気を遣いながら、そこら辺の成分をセイゲンさんはトリートメントした形で、DSDのマスターを作られて、で、東洋化成さんの方にそのマスターを持っていってカッティングをしていただいたんですね。」
「まず最初に、アナログうんぬんの前にハイレゾ用のマスターを作ったんですよ、5.6MHzの。ミックスをいちばんいい状態で聴きたいな、っていうものを作って、その次にそれをCD用にダウンコンバートしたものもあるし。で、LP用に当たってはですね、わざと横に広げるってことをやってないんですよ。少し内側に固まってるんです。ほんとはもっと広げた方がいい音楽もあるんですが、収録時間のことを考えるのと、歪んでも拡がりを取るか、音質を取るかっていうときに、流れてきた音楽の音色が伝わる方が大事……っていう方を、今回の場合は取ったので、低音とかが左右に振れてないようなものにしました。」
「そういう意味では、最初におっしゃってたハイレゾのマスターと、アナログ用のセイゲンさんが作られたマスターっていうのは違うものなんですね。」
「まずその時点で大きく違います。」
そして教授関連のリリース情報で、もうひとつ。
2012年に千葉・幕張メッセで開催された、脱原発をテーマとして音楽イベント、NO NUKES 2012 に出演した、YellowMagicOrchestra のライブ音源がCDになります。 タイトルは「Yellow Magic Orchestra NO NUKES 2012」。8月5日リリースです。
更に、WORLD HAPPINESS 2015、キュレーターの高橋幸宏さんからもメッセージが届きました。
「開催まで2ヶ月を切った、ワールドハピネス。今年で8回目かな。今年は開催時期を2週間、後ろにずらしました。いろんなフェスと重なるとかね、いろんな理由があるんですけども。開催場所は、東京・夢の島公園陸上競技場です。さすがに最近の台風はね、いつ来るか分からない。去年ちょっと、スペシャルゲスト台風っていうのが来ちゃったんでね。今年はもう要らないぞと、思ってますけど。最近ちょっと、だいぶ晴れ男ぶり、戻ってきたかなと。梅雨の最中でもあるんですけど、結構イケてるんじゃないのという感じになってますで。当日はなんとか、適度なお天気でいきたいですね。」
オーディション・コーナーで紹介した作品はこのサイトでも試聴できます。またコーナーは、全体を世界へ向けてポッドキャスティングでインターネット配信しています。すでに著作権管理団体に登録している作品の応募は受け付けられませんので、オーディションに応募される方はご注意下さい。
※オーディション応募作品をじっくりと聴けるポッドキャスティングは近々このサイトにUPされます。お楽しみに! |
|
RADIO SAKAMOTOオーディションに御応募頂いたデモ作品にまつわる個人情報の管理、作品の管理は、J-WAVEのプライバシー・ポリシーに準じております。詳細は、こちらを御確認ください。 |
|
|