「坂本龍一です。二ヶ月に一度お届けしているレディオサカモト。皆さん、お元気でしたか。僕はパリにいます。昨日ベルリンからパリに移動してきたんですけど、ベルリンには約10日ぐらい居てですね、ベルリン映画祭が終わったばかりなんですけど、今回は審査員を頼まれまして。ドキュメンタリーとかいろいろなカテゴリーがあって、僕はコンペティション……よくコンペ、コンペって言いますよね、コンペティションという部門の6人いる審査員のひとりです。今年のコンペの審査委員長は、トム・ティクヴァというドイツ人の映画監督なんですけど、僕よりも15歳ぐらい若いのかな。若手で、ハリウッドの有名俳優なども使った映画を作って、割と成功している人ですね。ドイツ人監督としては世界的なマーケットでいちばん活躍しているんじゃないかなあ。で、今年は19本、コンペの中に入っていて、アジアからは残念ながらフィリピンからの作品だけだったんですけども、フィリピンの映画っていうのが、ラヴ・ディアスという、比較的に世界的評価されている監督の作品なんですけど、これがとっても長くて4時間ぐらいあったんですけども、実はこの人は長い映画を撮るのが有名で、8時間ぐらいのものもありますし、4時間っていうのが彼の中では短い方という(苦笑)……ものなんですけど、あとは南北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカのものがなかったですねぇ……いちばん最優秀の金熊賞になったのが、ルーマニアの女性監督で。実は銀熊、二番の優賞になった監督も女性でしたね。それから三番って言っていいのかどうか分からないですけど、これが南米のパラグアイの映画で。パラグアイっていう国ではそもそも映画を作るのもかなり経済的にも大変だし、扱ってる題材がまた難しい……監督と少し話したんですけど、とても保守的な社会で、とても難しいテーマだったという話などもしてました。まあでもね、19本観てね、毎回とにかく観た後に6人の審査員が、最低1時間、長いと1時間半ぐらい観た映画について話を……まあディスカッションをするんですよね。それで5本ずつぐらい、また集中的な2〜3時間のディスカッションがあって、また最後に2日かけて、どれがいいかみたいなことをディスカッションするっていうね(笑)……もうほとんど10日間、ホテルに缶詰であまり外に……ベルリンの街を見るというような贅沢な時間はなかったんですけど、まあ、集中的にね、短い期間でたくさんの映画を観られたというのは、以前のヴェネツィアのときもそうでしたけども、やっぱり嬉しいことですよね。そんな濃いベルリンの滞在からですね、今度はなぜパリに来たかというと、この2週間ぐらい……10日ぐらいの間かな、メッスっていうところと、パリ、それからナンテ、の3ヶ所で、2回ずつ計6回、コンサートというかパフォーマンスというか、そういうものをすることになっているので来たんです。それで早速、今日から準備をしなければいけませんけども。またね、このフランスでのコンサートのようすなどは、次回になるのかな、お伝えしたいと思います。」
<東北ユースオーケストラ演奏会 2018に、のんさんが出演決定>
『レディオサカモトをお聴きの皆さん、坂本龍一さん、のんです。このたび、私は「東北ユースオーケストラ演奏会 2018」3月21日に東京オペラシティ コンサートホールで行われる東京公演で、朗読で参加させていただくことになりました。ありがとうございます。教授とは、実はインスタのフォローをさせて頂いているのですが、ある日、坂本さんが、のんのインスタに &いいね& をしてくださっているのを見て、とてもびっくりしました。それで私も教授のアカウントをフォローさせていただいたりして、お会いしたことないんですが、すごい親近感を覚えています。今回は、東北ユースオーケストラを、そのオーケストラをバックに詩を読むっていうのは初めてなので、皆さんの音楽の中で頑張って読まなければと、ちょっと緊張しています。3月21日に行われるコンサートなんですが、ぜひ観に来ていただいて、元気になって帰ってほしいなーって思っています。オリンピックとかパラリンピックが終わって、寂しくなっちゃった方は、ぜひ、元気になりに来てほしいです。リスナーの皆さん、坂本さんと、東北の方たちの音楽を通したメッセージを、ぜひ聞きに来てください。私も一生懸命がんばります。最後に教授に質問があります。インスタいいねありがとうございます(笑)、なんでいいねをしてくださったのでしょうか。』
「えー、のんさん、メッセージありがとう。インスタにいいねをした理由ですけど、まあ、応援というメッセージでしょうかね。がんばれ!という。まあ、応援メッセージだと。みんなそうでしょう、だいたい(笑)、普通。そういうものですよね、はい。のんさんも何か、気に入ったものがあれば、いいねをしてください。」
<今年の『東北ユースオーケストラ演奏会』について>
「その、のんさんが出演してくれるコンサートのお知らせをします。東北ユースオーケストラというのを始めまして、今度の3月で3回目のお披露目のコンサートをやるわけなんですね。3月21日が東京公演で、東京公演東京オペラシティ コンサートホール。3月31日が仙台公演、東京エレクトロンホール宮城。出演が東北ユースオーケストラ、音楽監督・ピアノが坂本龍一、わたしです。指揮が、常任指揮をやっていただいてます、柳澤寿男さん。司会がもうほんとに毎回やってくださっている、渡辺真理さん。21日の公演にのんさん、31日の仙台公演は、吉永小百合さんが朗読で参加してくださいます。21日の東京公演には、どうしても吉永小百合さんが新作映画で、お忙しくて、どうしても来れないそうなんですよ。新作映画というのは『北の桜守』滝田洋二郎さんという監督で、ちょうど3月10日から全国公開だそうです。これは、「北の三部作」……2005年の『北の零年』、2012年の『北のカナリアたち』(どちらも僕は観ました)の最終章だそうです。撮影がすごく寒いんだそうですよ、大変ですね。それは公開されたばかりということでとても忙しくて、朗読に参加できないので、吉永さんの代わりに誰かいい人がいないかなと思って、のんさんのことを思い出してですね。広島の原爆のアニメの映画『この世界の片隅に』……観ましたよ。のんさんがっていうよりは、あのアニメの主人公の女の子そのもののような声というふうに観ていましたけども、あとで確認したら、それがのんさんだった。とてもキャラクターに寄り添った、いい、ナレーションだったと思いますけど。で、吉永小百合さんは、その長いこと、原爆詩の朗読っていうのを続けておられて、その広島の原爆という話の繋がりで、のんさんのことも思い出して、とてもいい声の出演だったと思ったので、ふさわしいかなと声をかけたら、やってくれるということで。とても良かったんですけども。きっとあの、東北ユースオーケストラの子どもたちは、のんさんが来るっていうんで、ものすごく盛り上がっちゃうと思うんですけど、気をとられないようにちゃんと演奏してほしいものですよね。」
「東北ユースオーケスラは有志が集まって、すごい大きなコンサート以外に、避難所に行ったりいろんなとこに行って、自分たちで演奏活動してるんですね。これは僕ら大人が、こうしろと言ったわけではなくて、自分たちが自発的なアイディアでやってるんですけども、まだ一番上が大学生でお金がないので(笑)、そういうところにいって演奏するにも交通費とかかかりますよね……ということでね、クラウドファンディングで、少しのお小遣いを寄付してくださいみたいなこともやってますので、東北ユースオーケストラのサイトをチェックしてみてください。」
<ベルリン映画祭レポート>
「ベルリン映画祭っていうのは、昔はタレント・キャンパスと言ってたんですが、今はタレンツって言いますけど、若い映画作家、これからなろうとしている、あるいは若い映画作家の養成というのを、とても長く手がけているんですね。素晴らしいことだと思うんですけど。で、僕は5年ぐらい前のベルリン映画祭でもメンターとして呼ばれて、サウンドトラックの先生として(笑)、まあ出たこともあるんですけど、今回もそのタレントに呼ばれて話をしました。それで、ベルリン在住のカールステン・ニコライも呼んでですね、話だけじゃつまらないっていうんで、30分ぐらいいっしょに音を出しました。ちょうど、カールステンと僕でやったパフォーマンスの『Glass』っていうのが、最近出たばっかりですので。グラスっていうのは、あれは2年前だったかな、アメリカのコネチカット州にあるグラスハウス(The Glass House)っていう、フィリップ・ジョンソンっていう、もう亡くなったアメリカの建築家が、自分のために建てた小さな長方形のガラスの家ですね。この中で、カールステンと2人でパフォーマンスを頼まれたときのものが、いまやっと出たので、ということもあって、30分ぐらいのパフォーマンスをしましたけども、これはもう完全に100%即興で、打ち合わせも何もなし、出たとこ勝負で演ってみましたけど。で、グラスハウスで演った &Glass& もそうだったんですよ……最低の音がでるチェック、サウンドチェックはやりましたけど、内容についてはほとんど何も打ち合わせはなしでいきなり演ったんですけども、その時の体験がとてもよくて、それ以前、Glass以前はですね……僕とカールステンは、6枚って言っていいのかな、ぐらいのコラボレーションのアルバムを作ってきましたけども。で、LIVEもヨーロッパを中心に多く演ったんですけど、それはね、ほぼアルバムの曲をそのまま演るっていう、割と忠実に再現してたんですね、長いこと。ところがGlassでは、状況が状況で(笑)、いきなり演ることになって、カールステンと僕のコンビでは、初めての即興だったんですよ。で、僕は割と即興が好きなんで、他の人とは多くやってるんですけどカールステントと即興するのは何故かその時が初めてで、とてもうまくいったので、カールステンもとても喜んでですね、演ろうやろうということになっているんですね。それ以来かな、カールステンといわゆる即興で音を出すのは。またとても良かったんですよ。またグラスハウスとも違ってきてですね。即興はやるたびに違うことをやるわけです、つまり同じことをやるのは飽きてしまって、つまらないので、なんとか少しでも変えてやろうと思って、毎回演っているので、どんどん変わってきちゃうわけですね。で、僕が変わったら、カールステンも敏感に反応して変わるということで。」
「ベルリン映画祭では映画をね、こう観て、話し、また映画を観て話し……で最後にもう、すべて観終わったあとにですね、僥倖というんですか……ベルリン・フィル(ハーモニー管弦楽団)の公演に、審査員みんな招待されて、行って観てきましたけど。常任指揮者のサイモン・ラトルという人が、もうすぐベルリン・フィル辞めるんですね。辞めてどうするのか、ってまだ誰も知らないようですけど。だからまあ、ベルリン・フィルのサイモン・ラトル最後の公演のひとつを観ることができました。ゲストに、ダニエル・バレンボイムですね、ピアニストであり指揮者でありますけども。ダニエル・バレンボイムの弾く、バルトークのピアノ・コンチェルト No.1、それからドボルジャークのスラヴィック・ダンス、そしてヤナーチェクのシンフォニエッタ、というものを聴きましたけど。まあ演奏は、ほんとに素晴らしいですね。弦もいいし、菅もいいし、パーカッションも素晴らしいし。まあ文句のつけようがないけども、スラヴィックなもの……スラヴ的なものっていう土臭さには欠けますね。とても洗練されて上手いけども、土臭い感じはないですね。土臭いっていうと怒られちゃうかもだけど、やはりチェコ・フィルとか、あとはドイツでもミュンヘン・フィルとか……の方が、そういう香りがあるのかもしれないですね。でもほんとに素晴らしかったですね。ピアノの音が会場内で、かなり反射が多かったんで少し気になりましたけどね。まあ、そんな文句ばっか言っててもしょうがないか(苦笑)。とにかく素晴らしい体験でした。」
「あとはね、コンペの作品を観るのが中心だったんですけど、僕のドキュメンタリーで、去年ニューヨークで演ったLIVEの……を撮っただけのドキュメンタリーですね、『坂本龍一 PERFORMANCE IN NEW YORK: async』というやつですけど、これ今、日本でも上映されてるみたいですね。立川シネマシティでは &極上音響上映& ということで演られているわけですけど。もうひとつのドキュメンタリー映画『Ryuichi Sakamoto: CODA』これは、スティーブン・ノムラ・シブル監督が、5年あまりかけて、僕をね、追い掛け回して撮った映画ですけど、映画の一番最後に『acync』というアルバムができて、その初めてのお披露目をニューヨークでやりましたよっていうときの、1時間少しのLIVEをただストレートに撮っただけのドキュメンタリー……これをベルリン映画祭の中でスペシャル上映ということで、かけてくれたんですね。で、挨拶に行きました。」
「それから近況をもうひとつ。やってることはいろいろあるんですけど、昨年末からスタートした展示ですね、『坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME』というのが、続行中で、3月11日まで開催しています。まあ『async』をベースにした二度目の展示なわけですけども、よりインスタレーション的なものになっていますし、今後の展開を考えて、いろいろな自分なりの実験をしているんですけども。この次の展開っていうのをもちろん考えています。」
「そしてベルリンといえばですね、ヨハン・ヨハンセンが、突然、亡くなってしまいまして。えー、ヨハンとは、比較的、最近知り合ったばかりなんですけど、とてもね、濃い時間を過ごせたと思っています。僕よりもだいぶ若いんですけどね。世界の映画ビジネスの中ではとても期待されていた……もうこれから先、20年、25年はヨハンの音楽ばかりになっちゃうんじゃないかという、ぐらいに嘱望されていた矢先だったんですけど。僕とヨハンはお互いにリミックスをね、交換し合ってですね、ヨハンは僕の『ASYNC - REMODELS』というリミックス・アルバムに「SOLARI」で参加してくれて。僕はですね、ヨハンのいちばん初期の作品がリマスターされて出るんですけど、そのためにリミックスを提供してというね。まあ、OPN(Oneohtrix Point Never)とか小山田くんとかなんかもそうなんですが、お互いに尊敬しあってる同士は、そうやってお互いの作品を提供し合うことでフレンドシップを築くというかね。そういうことを割とやっています。ほんとに惜しい人を亡くしまして、残念ですけどもね。」
<坂本龍一 「この2ヶ月で聴いた曲から紹介」プレイリスト>
「今回も、僕がここ最近で個人的に聴いて、いいなと思った音楽のプレイリストをいくつか紹介します。何からいこうかな……ええとね、一応、書き留めてあるんですよ。2018年の1月から3月までっていうことでね、うーんとじゃあまず、これはね、ふだん家の近くのカフェでかかっていて、お、いいなと思って、Shazam(※スピーカーなどから流れている音楽を検索できるアプリ)でスマホに聴かせたら出てきたっていう。あれは便利ですねえ。あまり使ったことなかったんだけど、とても便利。」
- Slow Fast Hazel / Stereolab
「ステレオラブみたいなのを僕がかけるのは珍しいですけど、まあこういうポップな曲は別に嫌いじゃないですよ、自分で作るのは難しいかもしれないけど。まあ真似はしようと思えばできるかもしれないけど、真似してもしょうがないんで(笑) ……あまり必然性はないと思うんですけど。ポップスでも、やはりすごくいいものと、そうではないものがありますね、当然ですけど(笑)。あまり最近ポップスでいいなあと思うものは少ないですね。」
- Rrrrrrr...: Ragtime-Waltz / Alexandre Tharaud
「次はね、僕は最近好きな人ですね。Actressというアーティストですね。女性という意味ですけど、男性のアーティストです。Audio Track 5というEPのようなものですね。」
- Audio Track 5 / Actress x London Contemporary Orchestra
「次はスティーヴ・ライヒさんですね。最近出たアルバムで、『Pulse, Quartet』というタイトルですけど、その中から。」
- Quartet: II. Slow / Colin Currie Group
「じゃあ、あのー、ヨハン・ヨハンセンの、メモリーっていうことで、彼のものも聴いてみましょう。映画『Arraival(邦題:メッセージ)』……映像と音がとても素晴らしかったですね。SFですけど、宇宙人が出てきて、サイン、形で、こうコミュニケーションするっていうやつですけど、とても音も良かったと思いますけど、その中から。ヨハンの作ったサウンドトラックです。」
- Hammers and Nails / Jóhann Jóhannsson
「じゃ最後にもう1曲。ヨハンの曲で、『The Miner's Hymns』というアルバムから聴いてみましょう。」
- An Injury to One Is the Concern of All / Jóhann Jóhannsson
<デモテープ・オーディション - U-zhaan×長嶋りかこ>
「今回はいい曲……ほんとに内容が濃くて、おもしろい曲が多かったですね。たくさんかけたい曲があったんですけど、僕が東京での番組収録に参加できないので、U-zhaanと長嶋りかこさんのふたりに担当していただきました。僕もぜんぶ聴いていて、いいと思った曲には赤印を付けて、ふたりに送っておきました。U-zhaanと僕がいいと思ったものが、ほとんど被っていたみたいです。」
RADIO SAKAMOTOオーディションに、インターネットから作品を応募できるフォームができました。作品はファイルのアップロードのほか、YouTubeのURLを指定しての投稿も受け付けます。
詳しくは、エントリーフォーム内の応募要項をお読みください。
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<『エコレポート』── エコロジーオンライン 上岡 裕>
「エコロジーオンライン、上岡 裕です。3月3日、私が理事長を務めるNPO法人エコロジーオンラインが創立18周年を迎えました。まさに光陰矢の如し、あっという間の18年。教授とは設立当初、アースデイフォーラムという活動や音楽の現場に自然エネルギーを普及するartist's powerの立ち上げで連携するなど、いろいろな事業でご一緒させていただきました。エコロジーオンラインはartist's powerの立ち上げ以降も、Green Power Caravanとして自然エネルギーの普及啓発に関わってきました。この2月、その実績が評価されて『新エネ大賞』の「新エネルギー財団会長賞」をいただきました。音楽やキャラクターを活用して新エネルギーを普及したことが評価されたのです。音楽教科の仲間たちと Zepp などのライブホールをグリーン電力化したり、東日本大震災や熊本地震などの被災地支援に自然エネルギーを活用する活動も行ってきました。熊本地震の際には教授のご提案から、熊本に向かうことになり、被災者の皆さんに、八代亜紀さんやビューティフルハミングバードのライブを、ソーラーパワートラックで提供しました。教授やアーティストの存在なしにはきっと受賞できなかったと感謝しています。僕らが国内での普及啓発活動に奮闘している間に、世界では自然エネルギーの普及を進み、原子力発電や化石燃料から自然エネルギーへの転換が進んできました。2年前のパリ協定の締結で脱化石燃料が鮮明となり、その柱として自然エネルギーの導入に対するコンセンサスが出来たのです。こうした流れは持続可能な開発の世界でも明確になりました。パリ協定と時を同じくして、国連が定めたSDGs……持続可能な開発目標のツールとして自然エネルギーが活用されるようになりました。自然エネルギーが途上国の貧困の格差の解消に活用されるようになったのです。そのため、僕らが出かけるグリーンパワーキャラバンも国境を越え、途上国での活動も増えてきました。マダガスカルで出かけている自然エネルギーの普及活動もそのひとつ。炭や薪のために切り倒される森を守るため、自然エネルギーを現地に普及してきます。近い将来、この活動は現地の人たちに担ってもらいます。そのため、身近にあるエネルギーをシンプルに取り出す技術の導入を応援します。太陽光や水力などの自然エネルギーとともに、もみがら、おがくず、牛糞などの身近にあるバイオマスエネルギーを暮らしに活用することを学んでもらいます。かつて、私たち日本人は、身近な場に里山を作り、薪や炭など、暮らしに活用するエネルギーを自分たちで作り出してきました。その現代版を途上国でやろうということで、&里山エナジー& と命名。世界に広めていこうと準備しています。エコロジーの世界の偉人、田中正造を生んだ栃木のなかまたちと、チーム・マダガスカルを結成。6月にはマダガスカルを訪問します。現在、その準備のために日本を飛び回る日々が続いています。現地の人にものを伝える際には、音楽やダンスが重要だとも言われており、この取り組みでも、いずれ音楽との連携もありだと思っています。教授もぜひ、機会があればマダガスカルをご訪問ください。」
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