<今年ならでは、新しいアレンジのYellow Magic Orchestra "WORLD HAPPINESS 2009">
「この2ヶ月いろいろありましたね。なんか夏が短かったのかな。個人的な夏といえばやはり WORLD HAPPINESS 2009 ということで、今年で2回目でしたけど、たくさんの人に来て頂いて楽しんでもらえたのかな。僕も最初から会場に居たので日に焼けてしまいましたけど、出演者が良かったので楽しみましたね。自分たちの出番のすぐ前が相対性理論だったので、慌てて楽屋に戻ったりとか。」
「僕たちはHASYMOではなく、Yellow Magic Orchestraという名前で出演した訳ですけども (中身は変わらないんですけどね・笑) 、今年はサポートで小山田 (圭吾) 君に入ってもらいました。この4〜5年、この3人でいろいろ演ってきて内容がそれほど変わってなかったので、せっかくね、YMOという名前でパフォーマンスをすることになったということで、内容も少し一新しようということで。今まで演ってこなかった曲を多く入れたりとかですね。半分くらいは新しくなったんじゃないかな、今回は。」
「あと (高橋) 幸宏がこのところ、ファンク・ミュージック付いてましてですね、以前にも増して力強いファンキーなドラミングになっているんですよ。それで、全体にそのファンク的な曲調といいますかね、アレンジとか、そういう曲を選んで演ったんですよね。オリジナルのYMOのときも演ってましたけど「"千のナイフ" を演ろう」っていうのも幸宏から声がかかりまして、それじゃあっていうんで、今年ならではというか、新しいYMOならではのアレンジを考えまして、少しファンキーなバージョンを演ってみましたね。」
<このタイミングでThe Beatles をカバーした理由>
「今回のWORLD HAPPINESS 2009、Yellow Magic Orchestra のライブ1曲目は、The Beatlesのカバー "Hello Goodbye" で始まったのですけど、それの下地になるレコーディングをリハの時にしていたんです。なぜこの時期に The Beatles をカバーしているのかと。えっと・・・ま、ライブの1曲目が "Hello Goodbye" だったので、非常に深読みしたファンの方は "え、マジ!? これでまた解散しちゃうの?" みたいな、不安をもったような方も居たんですけども (笑) そんな深い意味は無くてですね。ちょっととカバーする必要があったのでしたんですよ。実はもう1曲ね、Sly & The Family Stone の曲もカバーしてレコーディングしてるんですけど、何のために?っていうのはね、まだ言えないんですよ。ちょっとまだ謎としてとっておいてください。次回くらいに言えるのかな。」
「演ってて、とても楽しかったです。リハーサルも盛り上がってですね、ちょっと長過ぎてね (リハーサルは5日くらいあったのかな) "1日でいいんじゃないか" と贅沢な文句を言ってた人も居ますけどね、・・・それは僕ですけどね。あんまり長く演りすぎて上手くなりすぎるのも良くないので、非常に旬の、というかね。新しい、新鮮なときにパッとこう演る方が、なんていうのかな、演っていても変に慣れてしまわないで音楽的にも面白いし、というね。ま、そういう意味なんですけどね。という訳でですね、WORLD HAPPINESS 2009 から "録って出し" に近いですね。初代のYMO (笑) が始まるキッカケになった曲を聞いてもらいましょう・・・ "FIRE CRACKER"。」
<フランスの文化芸術勲章を頂きました。>
「7月にフランスの文化芸術文化勲章 "オフィシエ" を頂きました。Officierというのは、三段階の真ん中、将校 (officer) ですね。実は、前にブラジルという国からもね、勲章をいただいたことがあって、それはアントニオ・カルロス・ジョビンのカバーしたアルバム『Casa』を出して、その後、主にヨーロッパをツアーして歩いたので、ブラジルに貢献した。ということらしいのですが、今回のフランスの勲章はですね、こっちが貢献した憶えはないのですが (笑) 、むしろフランスから頂いているものはたくさんありますよね。子どもの頃から、フランス音楽、それから (ジャン=リュック・) ゴダールなどのフランス映画、詩などのフランス文学、頭でっかちの高校生になってからは、フランス哲学というんですかね、ミシェル・フーコー、ジル・ドゥルーズとかね、随分と読んだものですけれど。」
「大使館の文化担当の人が、とても日本語がとてもよく出来る人で、受勲理由を彼なりに述べていたんですけど、僕が (クロード・) ドビュッシーなんかにとても影響を受けたと、とてもよくご存知でね。で、まあ、そのドビュッシーに影響を与えたのが、インドネシアのガムラン音楽ですね。それから、日本の浮世絵の影響なんかもあるんです。一番有名な曲で、交響詩 "海" というのがありますけど、もちろんフランスのノルマンディーの海に通って観察したという話もありますけど、と同時に、浮世絵ですね。葛飾北斎の有名な『富嶽三十六景』の中のひとつ── 非常に大きな波があって、その奥に小さな富士があるもの。あれが "海" のスコア、初版の表紙だったそうですね。確かドビュッシーの自分の家の書斎にその絵が掛かっているのを見た記憶もあるんですけど、そういう風に影響の連鎖というのかな、フランスのドビュッシーにアジアの音楽が影響を与えたり、そのドビュッシーの音楽が世界中に広まっている訳ですけどね。」
<通称"自己ベスト" いよいよリリース。>
「今年のツアー『Playing The Piano 2009』のですね、"自己ベスト" と呼んでいるんですけど、全24公演から自分の思うベスト・テイクを選び出しまして、9月23日にCDを出します。ぜんぶ選んだら50曲以上あったので、約半分の27曲にしました。そして10月からは、ピアノ2台を持って、全28公演のヨーロッパ・ツアーがあります。1年にツアーが2回もあるって、せめて1年に1回にしてほしいんだけど。老体にむち打って働かないと、私も (笑) 。国を跨いで毎日のようにいろんな所に行くというのは、なかなか大変でして。その分、楽しいこともあるんですけどね。」
<森をテーマにした写真展『TOUCH WOOD』>
「先週の金曜日から渋谷のパルコで、僕たちの森づくりのプロジェクトである "more trees" がチャリティの写真をやっているんですよ。『TOUCH WOOD』展と言いまして。僕らの活動に賛同してくれている写真家の方々に "森をテーマにして写真展をしよう" と呼びかけたところ、たくさんの方が参加してくれて開催することができています。作品は、more treesの森で間伐した間伐材を使ったフレームに収めて展示、販売しています。収益の一部はmore treesの森林育成活動に使われます。どういう写真家の人たちが出品しているかはサイトをご覧ください。」
9月6日には写真展の会場にてトークイベントが行なわれました。
<ラジオ・コトリンゴ>
今回のラジオ・コトリンゴ、ラジコトは、ニュー・アルバム『trick & tweet』に参加してくださった素敵なミュージシャンたちから、コトリンゴ宛にメッセージが届いています。
「安藤優子です。今回 "友達になれるかな?" の歌詞を書かせてもらったんですけど、浮かびやすかったですね。音楽が非常に入ってきやすくて、ツアー中のホテルで一回聴いただけで歌詞が出てくるくらい。コトリンゴちゃんと曲の近さっていうのかな、やわらかい声と非常に相反する実は非常にパッションな印象もありました。」
「はい、ありがとうございます。いろんな取り方ができるおもしろい歌詞で、私は女の子同士の話だと思ったんですけど、男女の話だっていう方いましたし、人見知りの人の歌だっていう方もいました。」
「おおはた雄一です。初めてコトリンゴさんの弾き語りを聞いたとき、すごい衝撃がありまして。あんまり聞いた事ないような音楽を聴いたっていう印象がありました。今回は "ふたり" という曲に参加しています。コトリンゴさんといっしょにギターを弾くというのは、非常に喜びでした。」
「前回のアルバムでも歌詞を書いていただいたのですが、すごく素敵な歌詞で、読んだ瞬間に曲ができて、っていう感じで。お昼間に電車に乗って聞くといい曲ですね。」
「村田シゲです。コトリちゃんの魅力は、例えば、同じ笑顔だったとしても、普通に "楽しかった、嬉しい" という笑顔と、"過去にいろいろ紆余曲折ありまして、この笑顔です" みたいな笑顔があるとして、後者のようなものを表現できる音楽教養の高さが嫌みなくあって、個人的に羨ましく思います。」
「シゲさんがこんなに真面目に語ってくださったのは、初めてかもしれないですね。シゲさんは人柄でベースを弾いている気がするんですね。単純に歌が元気になれるベースなんです。」
<オーディション・コーナー総評>
「今回もなかなか力作もありましたね。特にいいなあと思ったのは、23歳のフリーター Babi さん。とても生き生きとした音楽で印象に残っていますね。それから、ニューヨーク在住の北村京子さんのグループ "War-p" 。とても不思議なジャズとも民族音楽とも言えないユニークさ。あと僕はアイヌの人かなと思ったんですけど、The Phonos+小谷純+miyako ですね。僕自身、"out of noise" を作り出した頃かな、電子音だけでなくてですね、物の音というか、物の微細な音と言うか、ジョン・ケージ以前からある手法ですけど、物の音の不思議というか面白さというか、そういうものに最近は耳がいくことが多いですね。そういう投稿も増えていて、ペットボトルの音を使ったりとか、ギターを叩く音を使ったりとか。それが変に難しくならない、昔のフリージャズや現代音楽のように難しくならない。それが面白いなあと思いますね、軽さとポップさがあって。」
オーディション・コーナーで紹介した作品はこのサイトでも試聴できます。またコーナーは、全体を世界へ向けてポッドキャスティングでインターネット配信しています。すでに著作権管理団体に登録している作品の応募は受け付けられませんので、オーディションに応募される方はご注意下さい。
※オーディション応募作品をじっくりと聴けるポッドキャスティングは近々このサイトにUPされます。お楽しみに! |
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