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ARCHIVE:100905

「こんばんは、2ヶ月ぶりです。7月あたまから日本に行ってたのですが、今回はニューヨークからお届けします。ずいぶん長く、日本に居たのですけれども、その間もほとんど休みなく、働いていましたけどね。この猛暑の中、みなさん、どのようにお過ごしでしょうか」

<夏のピークはWORLD HAPPINESS>

「今年の夏のピークは何と言っても、WORLD HAPPINESS 2010でしたかね、これは個人的なことですけども。8月8日に東京・夢の島公園で行われたんですけど、今年で3年目なんですが、ああいった野外フェスって、ふだん、あまり会わない他のバンドや、若いバンドと知り合うチャンスなんですよね。例えば、昔から付き合いのある、ムーンライダースの鈴木慶一とかね。こういう機会があると、ゆっくり話ができるし、昔から見ている彼らの、今の演奏、存在っていうのも垣間見れる。Coccoさんや安藤裕子さんは、以前から知っていましたけども、その中でも僕が気に入った若いバンドというのはサカナクションでしたね。特にベースの女の子が、とてもいいですね」

<コンピューターを使わない完全な生演奏>

「今回のYellow Magic Orchestraのステージではですね、この数年いろいろ演ってきた曲目を、だいぶ変更しまして、というのは、自分たちが飽きちゃったというのもあるんですけど、なるべく新鮮な演奏をしたいということで、このところ演っていたなかった曲を引っぱり出してきて、30年ぶりにまた演ってみたりした曲が、今回は半分くらいありましたね。」

「今回はコンピューターを使わすに、100%生演奏で演った曲が何曲かあるんですけど、これは、生演奏に凝っている細野 (晴臣) さんの強い希望によるんですけども、人間が演ると、どうしてもテンポが揺れますけど、その揺れがいい!ということでね。いままでの揺れないテクノ・バンドだったYMOと、相反する方向なんですけど (笑) 僕たちも、とても気に入っていて、今後よりその方向性が広がるんじゃないかと思っています」

■WORLD HAPPINESS 2010のサイト。
Blogに当日の写真やセットリストもあります。
http://world-happiness.com/

「WORLD HAPPINESS 2010のオープニングアクトは "にほんのうた楽団" でしたが、CDもいいんだけど、今回集まってくれた4人 (小池光子+高田漣+ASA-CHANG+鈴木正人) の感じがよくて、とてもいいステージでした」

「そして「にほんのうたキャラバン」というのがあります。『にほんのうた』の音楽に、いろんな方が映像を付けてくれまして、その、歌と映像をトラック (移動上映車) に乗っけて、学校なんかが多いんですけど、上映しています。」

■にほんのうたキャラバン。詳しくはこちら。
http://nihonnouta.net/

<大貫妙子&坂本龍一『UTAU』>

「ニューヨークに戻ってくる直前に、北海道で、大貫妙子さんとの新しいアルバムのレコーディングをしていました。『UTAU』(うたう) というアルバム・タイトルなんですけど、これはそもそも大貫さんの方から、僕のインストの曲に大貫さんが新たに詩を書いて歌いたい、という提案がありまして、それは面白いと思って、その話があったのが去年の春くらいだったので、去年の冬の、僕のピアノソロでのツアーで、一部、小手調べということで大貫さんに出演してもらいました。それの評判がとても良くて、いい感触を得られたので、今回のレコーディングに繋がったんですけども」

「東京にもスタジオはありますけど、どうせなら少し都会を離れて集中できる環境でやろうということで、スケジュールの都合などいろいろ調べましたら、ここの北海道の「芸森スタジオ」というところが浮かび上がってきまして。スタジオの設備もいいですが、何より僕たちが求めていたのは "響き" ですね。スタジオの響きの良さ。かなり信頼できるエンジニアに聞いたところ、ここの響きはいいと、いうことで、初めて行って、初めてレコーディングするところだったので、意を決して行ったんです。幸いにですね、……想像よりも良かったんですね (笑) というのも、バブル時代に建てられていて、とても良くできているんですよ。バブルに感謝 (笑) とても快適に録音ができた、という感じです。いや、久しぶりでしたね……雲の動きを目で追ったりとか、梢をわたる風の音を聞いたりとか。昆虫も久しぶりに見ましたね、蝶とかトンボとかね」

教授の話では、現在、このアルバムはミックス中で、あと1週間で完成するそう。リリースは、11月10日予定。11月〜12月にかけて、17公演のツアーも決定しています。

「このアルバムもそうですけど、歌とピアノだけなので、これ以上、引き算ができない。とてもシンプルかつ、強い、緊張感のあるものになると思います。ツアーでの演奏は日々、変わっていくものだし、どうしても最初は硬くなるのかも知れませんけど、その硬い、青臭い感じもいいですけどね。とにかく、自分たちがいちばん楽しんでやらないと、客席には伝わらないですからね。精一杯楽しんでやるつもりです」

<今回の総評 : デモテープ・オーディション>

「全体の印象がですね、ちょっと今回は、力が足りなかったかな、というような気もしますが。夏で、それどころじゃなかったのかな (笑) 紹介したのも、常連さんの作品が多かったですね」

「自分というのは、まあちょっと青臭いですけど、無限の可能性があるので、さまざまなことにチャレンジしてほしい、と。それは僕の考えですね、信念ですね。とにかく、ひとつのことをやるのもいいけども、そんなに簡単にね、自分はこうだと決めないで、いろんなことやってみると。いうのも、自分を広げる、豊かにする方法だと思います」

オーディション・コーナーで紹介した作品はこのサイトでも試聴できます。またコーナーは、全体を世界へ向けてポッドキャスティングでインターネット配信しています。すでに著作権管理団体に登録している作品の応募は受け付けられませんので、オーディションに応募される方はご注意下さい。

※オーディション応募作品をじっくりと聴けるポッドキャスティングは近々このサイトにUPされます。お楽しみに!

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<モーツァルトは何かが圧倒的に違う>

「僕が監修をしている音楽全集スコラ (commmons: schola) の、第6巻が9月22日に発売になります。今回は「古典派」です。クラシックのクラシックですね、英語では "The Classical Style" と銘打っていますけども。ベートーヴェンがちょっと、作品も多いし、長い曲もあるし、重たいので、別立てにしまして、今回の古典派の中には入ってないんですけど。主にハイドン、モーツァルトですね。まあ、こういう機会がないと、ハイドンの全部の交響曲、100曲以上を聴くとかですね、まずない訳で、いつも言いますけど、僕がいちばん勉強させていただいてるんですけどね。聴いてみると、モーツァルトが圧倒的に音楽が凄いんですよねえ (ま、個人的な意見ですけど) 。ちょっとハイドン見直そうよ、とかね、そういう動きもよく解るんですが、公平に聴き比べてみると、もう不思議なんですけど、同じような音の使い方、編成、構成、形式、メロディ…を使っていても、何かが圧倒的に違うんですよ、その何かっていうのは、ほんとによく解らないんですが。改めて、モーツァルトの凄さにびっくりしました。

■commmons: schola シリーズ。詳しくはこちら。
http://www.commmons.com/index.html#artists/schola

■坂本龍一主宰のウェブマガジン+ショッピングサイト
http://www.commmonsmart.com/

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