RADIO SAKAMOTO

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ARCHIVE:090705


<今年はニューヨークにも "梅雨" が!?>

SKMT_photo

「今回はニューヨークのプライベートスタジオから。ニューヨークには梅雨っていう言葉もないし日本独特のものですが、今年のニューヨークは梅雨があったんですよ。日本ほどではないけどウエットな感じで。これも気候変動の影響なんでしょうか…。長いピアノ・ソロ・ツアーが終わってニューヨークに戻ってですね、比較的すぐ、Bang on a Can というグループがいるんですけど、彼らのために曲を書いて。年に一度、彼らが12時間くらいの長いコンサートをやってるんですけど (Bang on a Can Marathon)、それに出て新曲を演ったり、去年のYMOのロンドン公演がDVDになるのでミックスをやったり、その後は、春にやったピアノ・ツアーの "自己ベスト" をね、選曲とマスタリングですね。あとは細かいことや、8月のWORLD HAPPINESSの準備ですね、今年ならではの新しいトラック…というかも、当然制作していますので楽しみにしていてください!」

<YMO "LIVE DVD">

2008年6月15日、Massive Attackがキュレーターを務める "MELTDOWN FESTAIVAL" での、Yellow Magic OrchestraのライブDVDが8月26日にリリースされます。

「メインはこのロンドン公演ですが、スペイン (ヒホン)の映像もボーナス的に入っていたり、メンバーやMassive Attack、サポートメンバーのインタビューも収録…と盛りだくさんなんですが、特筆すべきはですね、全体のアート・ディレクションを僕の友達である alva noto こと、Carsten Nicolai にやってもらったことですかね。彼は美術作家でもあるので、そっちの面を知らない方もいるみたいですけども (多分、そっちの収入の方が多いんじゃないかな・笑)…きちんとやってもらいました。お楽しみに!」

<ピアノ・ツアー "自己ベスト">

「2009年3月から4月にかけて行なっていた、『Playing The Piano 2009』ですね、このライブ・アルバムというかね…"自己ベスト" ですね。舞台監督のイサヤマさんという方がですね、弾いた曲をデータにしてくれていて (ファンの方でもいろんなグラフを作ってくれていますが) それを見ると、505曲を弾いたんですね。そこから絞り込んで、例えば「Hibari」だったら24回弾いているんですけど、どこの「Hibari」がいいか、曲ごとにベスト・テイクを選びました。55曲を選んだんですけど、それだと全部聴いたら4時間になっちゃうので、せめてCD2枚分くらい…で、27曲になりました。「Composition 0919」とか入ってますがお楽しみということにしておきましょうか (笑) 。全体の傾向としては、長いツアーでしたから、後半の方が何回も弾いてるので演奏が良くなる傾向があるんですが、前半の方でベスト・テイクがあったりとか。こっちもいいけど、こっちも…絞り込む作業がなかなか大変でした。」

<commmons: schola vol.3 C.A.Debussy>

「バッハ、ジャズとリリースしてきました commmons による音楽全集、第3集。今回のテーマは、ドビュッシーです。ユーロになる以前のフランスのお札にはドビュッシーの肖像画が刷られていましたけども、フランスを代表する作曲家でして。僕は、ドビュッシーは20世紀の音楽の父だと思っているんですね (母親は誰なのかな・笑) 。ドビュッシー自身は19世紀に生まれている訳ですけど、19世紀の音楽を引き継いで20世紀へ橋渡しを担ったというかね。僕個人で言うと、たぶん一番影響を受けた作曲家だと思います。」

commmons: schola vol.3 は、9月6日リリース予定です。そして早くも vol.4 も進行中。内容はドラムとベースという楽器にフォーカスした内容になるのだとか。

「ドラムといえば、高橋幸宏。ベースといえば、細野晴臣…。このお二人さんにですね、"この曲だけは聴いておいて" あるいは "こんな曲に影響を受けたよ" っていう視点でですね、選んでもらってます。これは、僕が個人的に聴きたいっていうかね (笑) なんで幸宏がああいうドラムが叩けるのか、その秘密の一端を見てみたい、聴いてみたいじゃないですか」

今回のオンエアでは他にも、ボアダムスのヨシミさんを中心とした女性4人で構成されるOOIOO (オー・オー・アイ・オー・オー) や、教授のアルバムにも参加していた擦弦古楽器を使うイギリスの6人組 Fretwork のニュー・アルバムが commmons よりリリースされることに。その音源をいち早くお届けしました。

■最新のリリース情報など詳しくはcommmonsmartで。
教授デザインの「my commmons t-shirts」オススメです!
http://www.commmonsmart.com/

■WORLD HAPPINESS 2009 | ワールドハピネス2009
日時 : 2009年8月9日(日曜日)、午後1時開演。
会場 : 東京・夢の島公園陸上競技場
http://www.world-happiness.com/

<ラジオ・コトリンゴ>

久々に登場。コトリンゴによるラジオ・コトリンゴ (ラジコト) もお届けしました。コトリンゴさんは現在、日産 "MOCO" のCMソングがオンエア中ですが、今回のラジコトでは、その「colormaker」フルサイズ・バージョンをオンエアしました。

「コトリンゴから質問をもらいました。"他人の曲が覚えられない、どうしたら覚えられるか?" ということでした。僕はね…自分の曲も覚えられませんよ。コトリンゴの曲もカバーしてますけども。いつも譜面を置いてるでしょ?もっと覚えられないのが歌詞です。歌詞は、ほとんど耳に入ってこないので、覚えるどころか聞こえないんですね、あんまり。ちょっとヤバイですね (笑) …という訳で、ぜんぜん秘訣がありません。ちゃんとした譜面じゃなくても、自分用のメモ程度でいいと思うんだけど (笑) 。そうは言っても、自分が弾いてるものは、ほとんど覚えているんですよ。万が一というか、保険のために譜面を置いてて。何となく安心、という事でしょうかね」

■コトリンゴ・オフィシャルサイト
http://www.10do.jp/kotringo/

<マイケル・ジャクソン>

「大変残念なニュースが飛び込んで来まして、ドイツ人のダンサーで振付師の Pina Bausch さんが亡くなってしまいました。僕たちのオペラ『LIFE a ryuichi sakamoto opera 1999』や、インスタレーション『LIFE -fluid, invisible, inaudible...』でも出演されていますけども。68歳でした。えー…残念ですね。」

「もうひとつショックだったのは、Michael Jacksonが亡くなって。50歳という若さで…。人騒がせな人だとはいえ、やはり Jackson 5 時代からの彼の作品をほんとに天才だったんだなー…と。天才はなんで早く死んでしまうんだろう。ちょっと現代の神話性を帯びたね、人のひとりだなぁと…変な考えを持っているんですが。」

「マイケルといえば、最大に売れたアルバム『Thriller』にYMOの「Behind The Mask」という曲をカバーして収録したいというオファーが来まして、当時の記憶を思い起こすとですね、"トラックも、もう作った" と。で、トラックを聴かせてくれと言ったら "嫌だ" と。出さないんですね、真似されたくないということでね。"トラックは聴かせないけど権利は100%よこせ" と言ってきたので「それは何事だ!」と、頭にきて拒否した訳ですよね。「入れとけばよかったかなぁ…」なんて、あとで幸宏と冗談を言ってますけども (笑) 」

Greg Phillinganes

「多分、そのときのトラックだと僕は思っているんですけど、マイケルがプロデュースした、キーボーディストかな… Greg Phillinganes という人がいてですね。たぶんこれが『Thriller』用に作ったトラックに、ほぼ近いんじゃないかと僕は思います。グレッグの歌い方も、ちょっと "マイケル節" みたいなのが入ったりしていて、もしかしたらマイケルの仮歌なんかも入っていて、それを真似したのかな、と思ってしまいます。グレッグは後にクラプトンのバンドに入りましたけど、クラプトンの (カバー) バージョンもギターっぽくてっていうのかな、良いんですけど、今回はマイケルを偲んでグレッグのバージョンをオンエアします」

<オーディション総評>

今回もたくさんの方の作品を紹介させていただきました。応募して下さった皆さん、ありがとうございました。前回の放送でも話題になりましたが、例えば、ギターを叩いたりして出る "生音" などで作られた作品が多くなってきています。教授も個人的に、最近そういう音が気になっているそうです。投稿して下さる方は、ぜひプロフィールや簡単な作品の説明、演奏方法なども付けていただけると嬉しいです。

オーディション・コーナーで紹介した作品はこのサイトでも試聴できます。またコーナーは、全体を世界へ向けてポッドキャスティングでインターネット配信しています。すでに著作権管理団体に登録している作品の応募は受け付けられませんので、オーディションに応募される方はご注意下さい。

※オーディション応募作品をじっくりと聴けるポッドキャスティングは近々このサイトにUPされます。お楽しみに!

RADIO SAKAMOTOオーディションに御応募頂いたデモ作品にまつわる個人情報の管理、作品の管理は、J-WAVEのプライバシー・ポリシーに準じております。詳細は、こちらを御確認ください。

■「WORLD HAPINESS 2008のオリジナルTシャツ」を
サイン入りで3名の方にプレゼント!

今回は、WORLD HAPINESS 2008のオリジナルTシャツを、主宰者である高橋幸宏さんのサイン入りで3名の方にプレゼントします。

ご希望の方は、コチラからメッセージを添えて、ご応募ください。
当選者の発表は、発送をもって代えさせていただきます。