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<明けましておめでとうございます>

「坂本龍一です。みなさん、新年いかがお過ごしでしょうか。今年も新年早々ね、こんな仕事していて、仕事し過ぎじゃないかっていう話もありますけど(笑) ……えっと、2010年の後半戦は、北アメリカのソロのツアーで、11月と12月は大貫妙子さんと "UTAU TOUR" 全国17回。少ないようで多いような……僕にしてみれば長かったです。2011年はこんなにツアーしたくないですね、もともとツアー向きのアーチストじゃないんですから(笑)」

「UTAU TOURのエピソードですが、仙台公演で大貫妙子さんがピアノ用のモニタースピーカーに躓いてすっ転んだときの話です。大貫さんはなんと、ああ見えて空手をやっていたんですね、青帯だったかな。なので、とっさで僕は助けることが出来なかったのですが、しっかり見ました……受け身をしていたのを(笑) 受け身ができてるので、頭を打たなくて。ほんとに大事にならずに良かったです。いやー、いろんなことがありますよね」

<すっかりUSTなヤツになってしまった>

「そもそも、大貫さんとふたりでツアーを演るっていうのは、後にも先にもこれが初めてですから。しかも大貫妙子さんと坂本龍一で、同等の立場でコラボのアルバムを作ったっていうのも初めてで、初めてづくしでしたね。2010年の北米ツアーでは古川 (享) さんと平野 (友康) くんという有志のメンバーに手伝ってもらって USTREAM 中継をしましたけども、その続きでですね、この日本のUTAU TOURでは、僕が自分でUSTしました。坂本の "ひとりUST" と呼ばれていてですね、またの名を "振込めない詐欺" (笑) ……そのUSTを観ていたひとたちがですね、なんかこう、ポチッとしたいなと。なのに、どこにもするところがないっていうね。嬉しいことなんですけど、みんな、ああいう体験を共有して、なにか振込みたいな、と思うらしいんですよ。そのときにその、ポチッがね、付いてるといいんですけど。実は1年くらい前かな、USTREAMの親会社はSoftBankなので、孫正義さんに直接メールして、お願いといたんですよ。多分、今年中にはUSTにもポチッが付けられるんじゃないかと思っているんですが、これは良いですよね。音楽に限ったことではなくて、いいもの貰ったなっていうときは、僕も、返したいって思うので。……そんなUST。すっかりUSTなヤツになってしまったというね」

<教授のLIVE中継に「参加」しませんか。>

「今月9日に、ソウルで、僕のソロのピアノのコンサートを演ります。1日2回、公演があるので、いろんな実験いうかね、施策をやろうとしているんですよ。ひとつは、TOHOシネマズ 六本木ヒルズでスペシャル・ライブ・ビューイングをやります (夜の公演のみ) 。チケットは、劇場の窓口でもお求め頂けます」

「それとは別にですね、有志が勝手に集まってビューイングしようよ、個人宅で友だち集めてでもいいですし、学校などの公共の場所でもいいですし、それを皆さんでやってくれませんか?っていうのを呼びかけています。きっかけになったのは、北米ツアーのUSTをやったとき "埼玉の病院で500人くらいで観ました" という話をTwitterで伺って、ふだん病院にいるひとたちは、音楽を観たり聞いたりする機会が少ないので、皆さんとても感激して、泣いてる方がいたりとか、終わっても床に手をついて感謝を示してる方がいたとか (笑) ……それで、こちらも感動しまして、そういうことは全国でやってもらおうよ!と思ったんです」

「坂本の名前からですね、"skmt (スクムトゥ) Social project" と名付け、ウェブサイトも立ち上げて、呼びかけています。Twitterのハッシュタグは、 #skmts です。ちょっと発音しにくいんですけど、スクムトゥス!(笑) スクムトゥス!です」

■skmtSocial project ウェブサイト (教授の "ネコ耳" 動画も観れます!)
http://skmtsocial.com/

■skmts on USTREAM (中継のページです)
http://www.ustream.tv/channel/skmts

■TOHO シネマズ 六本木ヒルズ
http://hlo.tohotheater.jp/net/schedule/009/TNPI2000J01.do


新春スペシャルその1
<坂本龍一 × 村上龍 × 山崎卓也>

RADIO SAKAMOTO 新春スペシャルその1。作家・村上龍さん、山崎卓也さんをゲストにお迎えしました。村上さんは昨年、長編小説『歌うクジラ』を上梓。講談社から書籍としても出版するのに先駆け、電子書籍として配信を行いました。電子書籍元年のエピソードを伺うとともに、さらに今回は、法務的観点からのオブザーバーとして、弁護士の山崎卓也さんにも加わって頂き、デジタル時代のコンテンツのあり方、未来についての鼎談を行いました。

■村上龍 歌うクジラ on WEB
http://www.ryumurakami.com/utaukujira/pc.html

村上龍 「やっぱり届けたいと、そういう想いって言うのは表現者にあると思うんだけど、そんときに、インターネットっていうものは当然、重要なツールなんですよ(笑) それがお金になるかどうかの前に、届けるツールが出来たってことで。当然、その電子書籍も洗練されてるっていうか、複雑化できるっていう高度なツールができたってことだから、まず、僕が電子書籍に関して思うのは、新しいチャンネルが、しかも読者とダイレクトに繋がるようなチャンネルが増えたってことなんで、まず喜ばしいことなんですよね」


新春スペシャルその2
<坂本龍一 × 安藤裕子>

新春スペシャル・その2 は、歌手の安藤裕子さんをゲストにお迎えしました。教授によると、「あまり接点がないと言えばないんですけど、どうしても話してみたいことがありまして、それは去年の7月ぐらいですかね。安藤さんのブログなんですけど、とても考えさせられる事を書いていたので、面白いな、会って話してみたいなと思ったんです」とのこと。こちらも音楽とビジネスのお話になりました。

■安藤裕子さん オフィシャルサイトはこちら。
http://www.ando-yuko.com/index.html

■教授が見た安藤裕子さんのブログ (2010年7月17日のもの)。
http://www.ando-yuko.com/bedroom/2010/07/20100717.html

「"安藤裕子" っていうのは個人の名前だけど "安藤裕子の音楽" っていうのは、少なからずチームで出来上がっていて、そこには表に名前も顔も出ないスタッフ、ミュージシャンもいて、そのみんなでやっている中で、だんだん、その音楽でご飯を食べていくってことが、非常に難しい状態……例えば、名前を持つ私だけなら、ひとりでライブ演ったりとか、自分で作った音源を、ネットや手渡しで販売して、っていうのは、きっと可能だろうと。だけどじゃあ、そのチームで食べていくことって可能なのかな‥‥って考えると、もう既に難しい。そのチームで再現しようとしてることって、私から漏れでた歌だけじゃなくて、歌を元にアレンジしていくことだったり、ミュージシャンが演奏することだったり、もっと夢がでっかく広がっているというか……。もし私がインディーレーベルでやってたら、じゃあ、ストリングス20人呼べるか、っていったら呼べないじゃないですか。そこには、やっぱ資本が必要だったりとか。そのためにレコード会社ってものにはお世話になってたりする。音楽っていうものの、夢みたいなものを無尽蔵に形にしていくためのお金っていうものも、もちろん必要で、それがいまの時代はどんどん難しくなっている、っていう。生のミュージシャンが奏でる音楽とか、スタジオに限られてある機材とか、そういうものも使えなくなっていくし、捨てられていくことになるから。それが勿体ないという話です」

「そうだね。それは実は、もっと前から実は起こっていて、ドラマーが職がなくなったりっていうのは、やはり、コンピューターの発達で打ち込みが隆盛になってきて、ま、その元を作ったのは僕らみたいな感じなんで (笑) ちょっと申し訳ないんですけど。だけど、やはりドラマーが最初に少なくなってきて。でも良い面もあって、淘汰されちゃうんだけど、人間が叩くなりの良さ、は、機械ででない部分が、みんなも解ってきたので、そこにはちゃんと対価も払うし、そういう人は残っていく。かなり厳しい、ハードルは高くなってしまっている。多分、ドラマーが最初に、そういう風を受けて、だいぶ淘汰されて、でもそうなっていくんでしょうね。いろんな分野でね」


「お正月からかなり真面目な感じのゲスト・トークになっちゃいましたが、バランスを重んじる坂本としましてはですね (笑) ちょっとゆるい話もしたいな、っていうことでですね、ファッション・ディレクター大住憲生さんと、タブラ奏者のU-zhaan (ユザーン) くんを迎えました。U-zhaanくんは去年、Twitterのつぶやきを本にまとめたんですけど、それがすごく面白くてですね。大住さんも、ものすごく面白いひとなので、ゆるい会話の中からそれを感じてもらえたら、と思います」


坂本龍一 × 大住憲生 × U-zhaan
<インドにしばらく行ってると完全に怪しまれる。>

「U-zhaanは、インドでのつぶやきをまとめた本『ムンバイなう。』を去年、出してね」
「『ムンバイなう。』読むと、短歌というか、読み直したくなりますよね」
「Twitter本で面白いのって、あんまりないよね。あんまり読んだこともないけど」
「うーん。僕の前にハマコー (浜田幸一) さんしか出してないですからね」
「ハマコーさん、捕まっちゃったでしょう」
「だから、僕もそろそろだと思うんですけど(笑)」
「なんで(笑) 捕まるようなことやってないでしょう」
「やってないですけど、流れが(笑)」
「でも成田空港で、いつも大変なんだって?」
「そうですね。インドにしばらく行ってると、完全に検査官が怪しんでるんですよね、何か持ってるだろって。何気なく犬も寄ってきて。演奏も2回やりましたね。最初に演奏させられたときは「この楽器、ちょっと重過ぎるね。ちょっと開けてみてもいい?」ってキリとか持ち出してきて……開けちゃったらダメじゃないですか。それで演奏したんですけど、これで、失敗したら捕まっちゃうんじゃないかと思って」
「おい、手が震えてるぞ!とか言われなかった?(笑)」
「手を震わせながら演奏して(笑) 終わったあと検査員に、いやー、僕、実はタルヴィン・シン (Talvin Singh) とか好きなんだよねーって言われて (笑)」
「タブラが聞きたかっただけっていう可能性があるね、それ (笑)」

■U-zhaanさんのウェブサイト。
著書「ムンバイなう。インドで僕はつぶやいた」について、そして番組でオンエアした、rei harakami さんとの楽曲「川越ランデヴー」なども配信中です。
http://u-zhaan.com/


<番組オーディション、やってます。>

今回は新春スペシャルということでお休みさせていただきましたが、RADIO SAKAMOTOでは、番組オーディションを行っております。音楽作品、映像、TEXTなど、どんなものでもお送りください。制限や〆切りは特にありません。あなたからのデモ作品、お待ちしています。このサイト内では、過去の優秀作も紹介しています。

オーディション・コーナーで紹介した作品はこのサイトでも試聴できます。またコーナーは、全体を世界へ向けてポッドキャスティングでインターネット配信しています。すでに著作権管理団体に登録している作品の応募は受け付けられませんので、オーディションに応募される方はご注意下さい。

※オーディション応募作品をじっくりと聴けるポッドキャスティングは近々このサイトにUPされます。お楽しみに!

RADIO SAKAMOTOオーディションに御応募頂いたデモ作品にまつわる個人情報の管理、作品の管理は、J-WAVEのプライバシー・ポリシーに準じております。詳細は、こちらを御確認ください。


■坂本龍一&大貫妙子の直筆サイン入り「UTAU TOUR」のパンフレットを1名様、
U-zhaanさんの著書「ムンバイなう。インドで僕はつぶやいた」を5名様にプレゼント!

RADIO SAKAMOTO からのプレゼントです。
今回は、坂本龍一&大貫妙子の直筆サイン入り「UTAU TOUR」のパンフレットを1名の方、U-zhaanさんの著書「ムンバイなう。インドで僕はつぶやいた」を5名の方にプレゼントいたします。番組の感想やメッセージも、ぜひお書き添えのうえ、コチラからご応募ください (教授と番組スタッフ一同、楽しみにさせていただいてます)。当選者の発表は、発送をもって代えさせていただきます。