みなさん、新年おめでとう!
どんな年末年始をお送りですか?
今回のRadio Sakamoto、またまた
ユザーンに代理を頼んでしまいました。
僕個人がユザーンの声は、とてもラジオのマイクにのりやすい
いい声だと思うのと、かしこまっているくせに、クスっと笑えるような
彼の小ネタのファンだということもあります。もちろん、彼の
タブラのファンです。ソロアルバムもとてもよかったですよね。
ぼくは、この病気療養を、天から与えられた貴重な充電期間だと思って、
たくさんの本や映画、そしてもちろん音楽を聴いたり、
作曲をしたりしながら過ごしています。
たくさん休養させてもらって、ちゃんと治して元気になって帰ってきますので。
もう少し待っていてください。
それでは、ユザーン、お願いします!
坂本龍一
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「こんばんは、U-zhaanです。現在ニューヨークで療養中の坂本龍一さんに代わって、2015年最初の放送も、僕U-zhaanがお留守番を担当させていただきます。えー、教授からのメッセージをいただきましたが、うん、ゆっくり充電されているようで何よりです。しっかり療養して、また元気にこの番組に帰ってきてほしいですよね。教授がさっき、僕の声はラジオのマイクに乗りやすい声だと思ってるっておっしゃってましたけど、教授の声もラジオに乗りそうな声なんですけどね。教授たぶん、すごい小さい声で喋ってるんでしょうね。教授がラジオで話してると2ノッチくらい音量あげますもんね、聴いてるときに。うーん、耳がいいから、つい小さい声になってしまうんすかね。僕もあんまり大きい声でマイクが付いてると喋れないんですけど、新年なんで声を張っていけたらいいなって思ってるんですが、今日もうまくいかなそうな気がしてきました(笑)」
<坂本龍一「Year Book: 2005-2014」>
「教授の最新情報をお届けしたいと思います。坂本龍一さんのお誕生日、1月17日に発売される、"坂本龍一「Year Book: 2005-2014」" をご紹介します。2005年からの10年間で教授が書き下ろした、未発売の音源を集めたコンピレーション・アルバムなんだそうです。様々な企業とか美術館、テレビ番組、映画音楽など、リストを僕、見てるんですけど、めちゃくちゃ曲作ってんだなと。DISCの2枚目に入ってる「Ghosts」っていう曲は、"ある日、知らない人からメールが来て、その依頼のとおりに音楽を作って送った。その後、使われたのかどうかもわからない" って書いてありますね。もうさっぱり言ってる意味も解らないんですけどこれ。どんな曲なんでしょうね。誰か頼んだら、知らない人でもその依頼の通りに曲作って送ってくれるってことなんですかね。そんな事ないですよね、これどういうシチュエーションなんですかね、聴いてみたいですね。」
「それから今月21日に再発されるリマスター音源、『左うでの夢』から「Venezia」という曲もオンエアしました。これ教授が歌ってるんでしょうね。教授の歌の伴奏を一回だけしたことがあるな、「Perspective」っていう曲だったんですけど。教授の歌も味があっていいですよね。」
<新春"百人一首"対談「U-zhaan×津田大介」>
「まずは今日、最初のゲストをお迎えしています、ジャーナリストの津田大介さんです。」
「はい、こんばんは。よろしくお願いしまーす。」
「今年もよろしくお願いします。で、何をしているかと言うと、J-WAVEのスタジオで正座をして、目の前に25枚の百人一首の札が…」
「(笑)かるたが。お互い25枚ずつあって、いわゆるこれ、競技かるたの形式ですね。」
「去年、初めてやったんすよね。津田さんが百人一首が得意だっていう話があって…」
「何か飲んでるときに、"得意なんだ。中学のときに学年で二位を獲った" って言ったら、U-zhaanが "俺、一位。全校のかるた大会でね" って(笑)」
「じゃあ、どっちが本当に強いのか決めてみようっていう、競技かるた会をしたんですよね、ニコ生で。」
「はい。ま、結果はですね、僕の惨敗だったという記憶が…」
「今日はあの、全日本かるた協会専任読手の芹野恵子さんという方に、来ていただきたかったんですけど、正月から来てもらえるわけもないので」
「いや(笑) 失礼でしょ、しかも読んでもすぐ取れるわけじゃないからね」
「そうですよね(笑) 芹野恵子さんが読んだ、録音物と共にやっていこうかなと」
「(笑)あ、でもプロの読み手の」
「プロの読み手のCDをランダム再生して」
(※結果は今回もU-zhaanさんの圧勝でした)
<百人一首は現代で言うと雑誌のようなもの>
「津田さんがいちばん好きな歌っていうのはどれですか」
「僕はあれですね、いちばん最初に覚えた歌でもあるんですけど、秋風に たなびく雲の たえ間より もれいづる月の 影のさやけさ (左京大夫顕輔)」
「字余りの美しさ… "もれいづる月の 影のさやけさ" っていう」
「そうそうそう。なんか去年、NHK短歌という番組にゲストで呼ばれたときに、百人一首を全部、ジャンルで分析したのね。恋が4割くらい、情景を美しいねっていうのが3割くらい、あとは悟った系とか、だじゃれとか遊び系…そういう分析をしたときに、"百人一首というのは現代の雑誌です" っていう風にコメントしたんですね、女性誌みたいな。恋愛特集もあるけども、大人の流儀的なコラムがあったりとか、雑誌の定番で言えば美しい旅行系の記事だったりもするから、だから実は、いまの雑誌にも通じる黄金比のように藤原定家がちゃんとバランスを取ってた」
「じゃあ津田さんがこの雑誌の中で選んだのは、グラビアページ…」
「綺麗な月のグラビアのページが好きだったっていう(笑)」
「じゃ、僕は最後の方に載ってる誰かの人生相談みたいなのが好きだったのかもしれない」
「U-zhaanがいちばん好きなのは?」
「長らへばまたこのごろやしのばれむ 憂しと見し世ぞ今は恋しき (藤原清輔朝臣) っていう」
「これ、どういう意味でしたっけ」
「長く生きてりゃ、この最悪な日々だって、後から考えたらいい思い出になってるかもしんないよ。あんなに嫌だったあの時期だって、今だったらいい思い出だもんねー。っていう」
<文化と政治が繋がるってこういうこと>
「こないだ選挙あったじゃないですか。でも悩みませんでした?」
「今回もですし、その前もですしね。悩むのは悩みますよね」
「だから何か政治っていうことを考えたときに、僕は政治のメディアを作りたいなと思ってたんですけど、政治がけっこう終わった年だったなっていう風に去年は思ってて、政治に期待する事をみんなが止めちゃったから投票率も低くなったというか」
「あー、でも僕はあの(津田さんが作った)ポリタスで情報が送られてくることっていうのが、僕にしっかり届くようになって、で、政治が不透明だってことも含めて可視化されてる感じがあるなっていう」
「あ、それはすごい嬉しい感想です」
「そう思ってる人も多いと思いますよ」
「じぶんもやってみて良かったなと思うのが、選挙期間のときに本当に欲しい情報ってやっぱりテレビとか新聞は出てくれないんですよね。ああいう時期って、誰かを推したり推薦したりすると不公平になっちゃうからっていう放送法とか公職選挙法の規制があるので、でも別にTwitterとかFacebook見ればみんな書いてる訳じゃないですか。だったらそれをもうちょっと解りやすく伝えてくれる人に、集めて、いろんな人に届けるっていう」
「ほんとに人選も素晴らしいし、あくまで中立でいようとしている感じもメディアとしてあるし、すごいなと思いますね」
「実はその悩みがなくなったのが去年の秋からなんですよ。これは実は音楽と関係してる話なんですけど、『考える人』っていう雑誌があって、その特集の "オーケストラをつくろう" っていうのがすごく良かったんですよね。それって要するにベネズエラでエル・システマっていう、貧困の子どもたちに無料で楽器を与えてオーケストラの教育をするっていう。それによってチームワークも学べるし、楽器とか打ち込むことがあると治安も良くなるし、勉強とかもするようになって、そこから世界的な(グスターボ・)ドゥダメルっていう指揮者が出てきて……っていう。それって音楽を与えること、文化の力で社会運動をすることで、どんな政治家よりも政治的にやってるじゃん。っていうのを見たときに感動して、俺もともと、文化…カルチャーとかの雑誌のライターだったし、政治がつまんないんだったら、こういうおもしろい文化運動みたいなのをすごく取り上げて、盛り上げて、目立つようにすることが、それがなんか政治と繋がるんじゃないかと思ったんですね。実は選挙のポリタスって、単に政治の評論家、経済学者とかいろんな人にも書いてもらったんだけど、ミュージシャンにも書いてもらったらし、谷川俊太郎さん、いとうせいこうさんもそうだし、しりあがり寿さんなどにも書いてもらって、文化と政治が繋がるってこういう事かなっていうのが、あ、この方向でいこうっていうのが、ようやくここ3ヶ月くらいで見えてきたっていうので」
「そしたら今年…2015年っていうのは、その今あるメディアを使って発展してっていう感じですか」
「うん。テレビ、ラジオは出るんですけど、むしろもうちょっと自分のやっているメディアを育てていこうっていう。でもU-zhaanの2014年はまた、転機というかね。初のアルバムを自分のお金で集めてやるっていう」
「ま、出したってところで力尽きた感がありますね」
「(笑) でもやっぱり納得のいくものが出せたっていう?」
「ジャケット…も含めて全体的なパッケージングのやり方まですごくこだわって作ったので、やりきった感があるなとは思いますけどね」
「じゃあ、その次のステップとしての2015年はどういうことを考えてるんですか」
「基本的に僕、次のステップを考えることがほとんどなくて」
「お」
「目の前に今、やらなきゃいけないこと…だけをずうっと全力を尽くすっていうことしかできないんですよね」
「じゃそれがここ2、3年はソロアルバム作るっていう…」
「うん、そうですね。その瞬間しゅんかんに、次にやらなきゃいけないことっていっぱいあるじゃないですか。次は何をしなきゃいけないっていうのがあると、結構いっぱいいっぱいになっちゃうんですよね。」
「じゃあそんなU-zhaanの、いま、割と優先度、高めでこれやんなきゃなっていうのは」
「優先度がいちばん高いのは、僕、タブラを練習したいっていうのがすごく高いですね。もうちょっと…もうちょっと自由に演奏したいのと、うん、精度を上げたいっていう感じがありますね」
<新春対談「長嶋りかこ×真鍋大度」>
「J-WAVE、レディオサカモト、わたくし長嶋りかこがナビゲートしていきます。ここからは『新春対談』。ゲストにお迎えしているのは、メディアアーティストの真鍋大度さんです。今年もよろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。」
「昨年は、札幌国際芸術祭でやられてた<センシング・ストリームズ ー 不可視、不可聴>っていう作品が、文化庁メディア芸術祭 優秀賞を受賞ということで、おめでとうございます」
「ありがとうございます、嬉しいです」
「最初に "都市と自然" っていう(芸術祭の)テーマを、坂本さんから言われたと思うんですけど、そのテーマからあの作品を作るまでに、これ、どういうやり取りで出来てったんですか」
「テーマが決まってたときに、坂本さんはいろんなイメージがあったと思うんですけど、僕はまた全然違うことで、目に見えないものを可視化するっていうことをテーマに…そんときは電磁波だけど、赤外線とか紫外線を使った作品を(YCAM) 山口情報芸術センター で作ったんで、たぶん現地を訪れた坂本さんがそこでお話を聴いたのかな、そういう経緯だったと思うんですけど、それで "電磁波を見るような作品、作れないかな" って話をいただいて、まさにそれは次ちょっとやってみたいなと思ってたことだったので、出来そうです。っていう話をして。"都市と自然" って確かに、電磁波ってどっちにもあるし、そういう意味ではすごくいいモチーフというか…」
「あれ、自然にも電磁波ってあるの?」
「もう光とかは基本的に全部、電磁波なの。太陽から出てる紫外線も赤外線も、可視光も。で、そん中でラジオで使ってたりWi-Fiで使ってる帯域を "電波" って電磁波の中で呼んでて、で今回は目に見えるものとかじゃなくて、Wi-Fiの電波とかいわゆる都市にも溢れているようなものをちょっと使おうっていうので、実際にはアンテナを作るところから始めないといけないんで、そこがちょっと時間かかっちゃったんだけど。最初どこに聴いたらいいかも解らなくて、いろいろ…ハッカーが集まるイベントとか行って(笑)、でセルビアに行ってるときに、そこにいるハッカーの人たちにこれがいいよって教えてもらって、そこからバッと進んだっていう感じですかね。でもだいたい最初はじめるとき、その分野の素人で始めることが多いので、電磁波とか扱ったことないし、専門家にも入ってもらって、ま、そのテーマの設定とか、こういう音に変換するとかインスタレーションこういう感じとかは、かなり坂本さんの方でイメージが出来てたと思うんですけど」
<今回は高橋幸宏さんもナビゲーターとして登場>
「ここからは、高橋幸宏がナビゲートでお届けしていきたいと思います。といってもほんの、ちょっとなんですけどね。僕もたまには参加させてくださいということで、ちょこっとだけやらせていただきます。この番組、教授がまあ、お休みの間もうほとんどレギュラー状態で、U-zhaanがやってますよね。もう、ほとんどいろんな人たちのファンの方たちの意見によると、もうあれは乗っ取られたなという。教授、そういう意見もありましたよ。でも実はU-zhaanも相当、煮詰まってるみたいですからね(笑) 面白いすよね、彼はほんと面白いんだ文章も、話すことも。U-zhaanは声が渋いっていう、なんか評判がいいそうですよ。そう言われるとラジオで聴くと、そういう感じもあるかなあ。本物はよくないみたいな言い方してますが(笑) そんなことはありません。」
「僕と教授と言えば、YMOなんですけどね。この番組ではワールドハピネスをね、毎年取り上げてくれてまして、去年は教授が参加できなかったということで、YMOは参加しませんでした。その代わりあのー、YMOの次の世代のひとたちとやっている "高橋幸宏 & METAFIVE" が、前回のトリをやらせていただきまして、それで、YMOの曲もけっこう演りました。細野さんもゲストで出てくれたりしてね、そのコーナーにも。今年が8回目。ちょっと日にちが変わるかもという感じになってます。できれば、むちゃくちゃ暑くない時期がいんですけどもね、それでしかも台風なんか来ないときがいいなと思いつつ、近いうちに発表になると思います。まあね、去年は台風なんかもいらっしゃったんで、特別ゲストで台風っていうのがありましたんで、今年は大丈夫だろうなあと。ま、その辺も教授が戻ってきてくれるとなあ。俺、晴れ男だからね、っていつも言ってるから僕もその自信はあったんですけど、だんだん崩れて来たんで最近(笑) そこはすがりたいなと思ってます。」
「今年はソロアルバムもやんなきゃいけないし、でもその辺は後半ですね。前半はちょっと頼まれごともあるので、ちょっと面白いニュースなんかも皆さんに発表できるときがあるかもしれません。そうだなあ、秋からの自分のソロっていうのはね、もう坂本くんにも散々話してますけども、ね!教授がいてくんないとちょっとだめかなって構想なんで、その辺もちょっと楽しみに、自分の中で考えてまーす。」
<"Hello, I'm Christian Fennesz.">
「クリスチャン・フェネスからメッセージが届きました。
「(日本語で) 明けましておめでとうございます!」
□ 2014年にリリースしたアルバム『Bécs』について
「『Bécs』の製作は何年もかかると思っていましたが、実際は5〜6週間で出来あがりました。本作は "Editions Mego" から発売しました。(レーベル・オーナーの) ピーター・レーバーグが "Mego" の経営危機を乗りこえて設立したレーベルです。Megoで最初の作品をリリースした時から、三部作にしようと約束していました。二作目の『Endless Summer』発表後、その約束を果たせていませんでしたが、ようやく実現したのです。前作の『Black Sea』が、ひとつの構成・テーマに沿って作られたのと比べると、本作はそれぞれ特徴のある曲があつまって出来た作品です。僕なりのポップ・アルバムとも言えるでしょう。」
□今回の東京滞在について
「東京は90年代後半に来日して以来、ほぼ毎年訪れています。第二の故郷のような感じですよ。(自分の故郷) ウィーンやイタリアに次いでね。 東京のライブハウスのサウンドシステムはいつも素晴らしい!是非また戻ってきたいです。」
□ 2015年の抱負、活動予定について
「とにかく休暇を取りたいですね!今年はまだ具体的でないですが、いくつかプランはあります。まずは、ちょうど昨日スタジオでセッションをした、ジム・オルークとは何か一緒に作りたいですね。あとは、ハリウッドで映画音楽の作曲をしているポール・ハスリンガーとも作品を作りたいです。彼はタンジェリン・ドリームのキーボード奏者だったんですよ。他にも、2011年に坂本さんと "二期倶楽部" で一緒に公演した時の音源が素晴らしかったので、それも7インチで発売したいです。ロンドンのレーベル "touch" に話をもちかけているところなんです。」
□ 坂本龍一氏へのメッセージ
「早く良くなって頂きたいです。皆で祈っています。I can’t wait!(待ちきれません!)」
<CIBO MATTOからもメッセージが。>
「レディオサカモトをお聴きの皆さん、U-zhaan、そして教授、明けましておめでとうございます。CIBO MATTOの本田ゆかです。ハトリミホです。」今回もCIBO MATTOのおふたりからメッセージをいただきました。音声にかけられたエフェクトは、ご本人たちによるものでした
<オーディション・コーナー>
「一度でお役御免になるかと思ったら、もう三度目です。もうコメントの引き出しがありません。」とのことでしたが、今回のオーディションコーナーもU-zhaanさんと長嶋りかこさんコンビでお届けしました。
オーディション・コーナーで紹介した作品はこのサイトでも試聴できます。またコーナーは、全体を世界へ向けてポッドキャスティングでインターネット配信しています。すでに著作権管理団体に登録している作品の応募は受け付けられませんので、オーディションに応募される方はご注意下さい。
※オーディション応募作品をじっくりと聴けるポッドキャスティングは近々このサイトにUPされます。お楽しみに! |
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