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<普通の人は、その音楽あるいは作った人周辺の全体の物語を聴いている>

「坂本龍一です。もう3月ですね。僕は今年、自分のソロアルバムを完成させるという大きな締め切りを抱えていますけれども。ちょっと詳しく知らないんですけど、この2ヶ月の間に、ゴーストライターの問題があったそうですよね。結構、話題になってたようですけども。あれでね、ちょっと思ったのはね、普通の人って言うのは、音楽そのものではなくて、その音楽あるいは作った人周辺の全体の物語を聴いている。あるいは見ている。あるいは楽しんでいる……のかなと。音そのものよりもね。なかなかでも、プロでも音そのもの、音楽そのものを純粋に聴くというのはなかなか難しいのかも知れませんね。えー、まあ僕は、なるべくその、作品とか作者にまつわる物語からの影響をね、なるべく受けないようにしようとやってきましたけど、まあそれでもやはりそういう影響はありますし、一般の人たちがそうであるからと言って、一概に批判できないのかなという見方も最近はしていますけども、難しい問題ですね。」

「僕の方のソロ・アルバムの、進捗状況はね、まだなんにもやってません。まったく、どうしたもんかと、他の事が忙しくて。4月にはオーケストラのコンサートもあるので準備もやっていますし、まだ考えられるところまで行ってませんけども。まあいろいろ思いつく限り、いろんなメモを取ったりとかはしてるんですけどね。まだ僕も、どういうものになるのか全く見えてません。」

「もうすぐ東日本大震災から3年が経ちます。今年は、NHKの番組の関係もあって、3月10日は福島県に僕は行ってます。まあね、だんだん風化しているとは思うんですけど、まあ、人それぞれですよね。僕は忘れずに、福島の応援は……もちろん福島だけじゃないけども、福島はまだ終わってないからね。だからやっぱり、何とかどうやってあの原発事故を収束させるのかっていう、ほんとに困った問題ですよね。ま、そう言う事を考えつつ、僕なりにイベントに参加できればと思います。」

「今年で2度目ですけども、アイスランドのレイキャヴィークで『ソナー・レイキャヴィーク』、去年も僕は行ってました。で、まあ去年はじめてアイスランドに行って、まあ思ってた通り、美しいところだし、人間も音楽も面白いので、いっぺんで好きになって、今年はもう押し掛けのような感じで、"もう行くから!" っていう感じで行ってしまったんですけども。去年はカールステン・ニコライとデュオだったんですが、今年はニューヨークに住んでいるアメリカ人の12kというレーベルを主催しているテイラ・デュプリーと一緒に行ってきました。テイラーとは去年、はじめて二人のコラボのアルバムを出したばっかりなので。多分ね、ソナーっていうのは世界中のあちこちでやってますけど、僕たちのデュオが一番静かなんじゃないかな、静かな音楽……PA泣かせですけどねぇ。アイスランドっていうのは面白いところで、3年連続で "世界で最も平和な国" に選ばれているということなんですよね。あのー、まあ首都がレイキャヴィークという街で、で、実はそのレイキャビィークの市長さん……ヨン・ナール (Jon Gnarr) って言うんですけど、彼なんかとも僕は友達で、あと『よみがえれ!夢の国アイスランド』という、とても大事な本を書いた、アンドリ・マグナソンという人がいるんですけど、彼とも去年、友達になってですね。日本も島国だしアイスランドも島国、島国同士ですね、島人同士、ちょっと仲良くしてるんですけども、とても面白いところです。」

■Sónar Reykjavík 2014
http://sonarreykjavik.com/en/2014/

■TAYLOR DEUPREE
http://www.taylordeupree.com
■Ryuichi Sakamoto + Taylor Deupree『Disappearance』
http://shop.mu-mo.net/avx/sv/item1?jsiteid=CMM&seq_exhibit_id=85485&categ_id=572301

<札幌国際芸術祭 2014 "都市空間のサンドコンペティション">

「僕がゲストディレクターを務めている、札幌国際芸術祭 2014からのお知らせです。広報の人みたいになってますけどね。この札幌国際芸術祭っていうのはですね、今年の7月から2ヶ月に渡って、札幌市を中心に開催される国際芸術祭、アートフェスティバルですね。だけどまあ、いわゆる国際的なアートビジネスというマーケット……あの、日本で言えば村上隆さんとかが、何億円とかで売れるようなマーケットがある訳ですが、それとはちょっと引いた、三歩くらい引いてるかな、大きなテーマが「都市と自然」というね。分かるようで分かんないようなテーマかもしれませんけども、それを基にいろんな国際的なアーティストから出品していただくね、そういう芸術祭になる予定です。する覚悟です。」

「僕自身はですね、新作のインスタレーションもありますし、また、北海道の玄関……新千歳空港。ここにね、世界のお客様を迎える、まあなんて言うのかね、サウンドロゴっていうかな、新千歳空港での札幌芸術祭のウェルカム・サウンドっていうのかな、を作ったりとかね。あとはクロージングにカールステン・ニコライといっしょにパフォーマンスを演ったり、何度か顔を出しますけども。で、まあ僕の発案で、ひとつ "都市空間のサンドコンペティション" っていうのを行なっているんですよね。どういうものかと言うと、札幌国際芸術祭2014のテーマを象徴し、都市の公共空間にふさわしい音の作品を世界中から広く募集している。これは街中でもかかりますし、その展示会場のようなところにも、その音が流れるというものです。プロ、アマ問わず、年齢も問わず、国籍も問わず、もう誰でも応募できるんで、ぜひ、どしどし応募してほしいんですけども。札幌のこう……都市の音っていうんですかね、公共空間の音っていうんですかね、大きな都市で都会ですから、いろいろ騒音もうるさいですけども、その中に果たしてこう溶け込んで、しかもその、芸術祭っていうことを、こう分からしめるようなね。で、まあ、市民に愛されるような音っていうのは果たして可能かというね。どんどん挑戦してみてほしいんですけど。札幌駅前の通地下歩行空間 (チ・カ・ホ) とかですね、札幌芸術の森などで流れる、3秒から15秒ぐらいのサウンドロゴのような音楽作品を作ってほしいんですね。締め切りは3月31日が必着です。普段ね、この番組のオーディションに応募してくれる、デモテープを送ってくれる人たちも、このサウンドコンペ、参加してみてください。ぜひぜひ。詳しい情報はウェブなどでチェックしてみてください。もちろんツイッターアカウントもありますし、Facebookもあります。」

■札幌国際芸術祭 2014
http://www.sapporo-internationalartfestival.jp

■都市空間のサウンドコンペティション
http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/sound/

■公式ツイッター
https://twitter.com/SIAF2014info

■公式フェイスブック
https://www.facebook.com/siaf2014info

<Cibo Matto ハトリミホさんからのメッセージ>

「坂本龍一さん。レディオ・サカモトをお聴きの皆さん、こんばんは、チボ・マットのハトリミホです。お久しぶりですね。あのー、チボ・マットが15年ぶりにアルバムを出したんですね。ニューアルバム『Hotel Valentine』は、ホテルというコンセプトで作りました。結構、盛りだくさんの音楽のフルコースみたいな感じで作ったんです。坂本さんも今年は、5年ぶりのソロアルバムを制作するそうですね。どんな作品になるのか楽しみなんですけれども、何かこう、弾けた、ニューポップミュージックみたいなものとか聴きたいなあと思ってます。うーん、カラオケとかで歌えるような、なんかそういう坂本節みたいなものを聴けたら、なんかわくわくしますねぇ。3月と言えば、間もなく、東日本大震災から3年が経ちますが、その当時は私はニューヨークに居ました。チボ・マットでチャリティーコンサートを2つしたんですけど、日本だけじゃなくて、みんな世界中がすごく大きなショックを受けましたね。まあ、いろいろ考える事があるんですけど、こういう失ったものもとても大きいんですけども、遠くからですが、またこの災害をバネに、次のチャプターにみんなでシフトできたらいいなと思いました。みんなの意識を変えて、どうやって地球と、自然と共に生きるか。そういう事を考えながら、ちょうどアルバムを作ってたので、曲を作ったんですけども、タイトルは「MFN」と言います。」

「えー、ハトリミホさん、メッセージありがとう。彼女たちは、これがなんと15年ぶりのニューアルバムなんですよ。僕も今年、自分のソロアルバムに専念したいんですけども。カラオケですかー……も、ほんとに10年くらい行ってないんじゃないかなあ、そんな事ないか。あ、一度ね、札幌で行ってねぇ、カラオケのトラックのジャッジをやりましたね。みんな歌を歌わないで、その、好きなトラックを呼び出して、出来を評価する。そういえば、チボ・マットのね、ゆかとミホちゃんとはこのところ、ニューヨークで何回か食事してますけどもね。とっても仲良く、ふたりはいい感じで月日を重ねていますね。」

■Cibo Matto
http://www.yeahbasicallycibomatto.com
■CIBO MATTO『ホテル・ヴァレンタイン』
http://shop.mu-mo.net/avx/sv/item1?jsiteid=CMM&seq_exhibit_id=104236&categ_id=572332

「えーっとですね、ここで、僕関連のものも紹介しましょうかね。じゃあ、『commmons: schola (コモンズ・スコラ)』ね。まあ、コモンズ・スコラっていうのは、坂本龍一監修の音楽全集CDということなんですけど、今回は13巻目でした。随分やっとのことで、ここまで来ましたけども。13巻目のテーマは『電子音楽 (Electronic Music)』ということですね。非常に、まあ、濃い内容になっているので、ぜひ手にとってみてほしいですねぇ。それからですね、3月26日には映像作品も2つ、発売されるんですけども、ひとつは『Ryuichi Sakamoto | Playing the Piano 2013 in Yokohama』去年の3月3日、神奈川県立音楽堂の模様で、DVD+Blu-ray+2枚組CDアルバムというね、豪華な。もうひとつは、まだ記憶に新しいかもしれませんけども『Ryuichi Sakamoto | Playing the Orchestra 2013』。5月9日サントリーホールで行なわれた公演の映像化ですね。」

「それから、□□□(クチロロ)三浦康嗣君の、これまで手掛けたワークス・ベスト的なアルバム『WORK』が発売されるそうです。彼は□□□以外にも、舞台作品のプロデュースだったり、ネットを使ったフラッシュモブを仕掛けたりと、いろんなね、音楽家としての幅をどんどん広げています。どういう事をね、これからやっていくのか。面白い試みをどんどんやってもらいたいと思うんですけども。」

■commmons: schola vol.13 "Electronic Music"
http://shop.mu-mo.net/avx/sv/item1?jsiteid=CMM&seq_exhibit_id=100713&categ_id=572301
■Ryuichi Sakamoto | Playing the Piano 2013 in Yokohama
http://shop.mu-mo.net/avx/sv/item1?jsiteid=CMM&seq_exhibit_id=104226&categ_id=572301
■Ryuichi Sakamoto | Playing the Orchestra 2013
(※リンク先はBlu-ray盤)
http://shop.mu-mo.net/avx/sv/item1?jsiteid=CMM&seq_exhibit_id=104251&categ_id=572301
■三浦康嗣(□□□)/V.A.『WORK』
http://shop.mu-mo.net/avx/sv/item1?jsiteid=CMM&seq_exhibit_id=102303&categ_id=572305

<番組オーディション応募作品 総評>

「今回は、去年の7月以降の応募作品から優秀作を聴いて頂きました。何曲あったんでしょうか。えーっとですね、まあ最後に聴いたね、辻林美穂さんのような、あの、割と正統的な歌、あるいは市川ミコルさんの、歌ががーんと、こう出てる感じとかね。っていうのと、非常にこうカオティックな……カオスなというか、が混在しているのが、とても印象深かったですね。あと、エイトビートでぐいぐいっていうのも2曲くらいあって、エネルギーはあるなあやっぱり、と思いましたけど。はちゃめちゃていうのが「キテレツ」ぐらいかな。あとはでも不思議なこう、入射角っていうかね。わざと不快な音をやったりとか、「こけし系統覚え唄」とか、ユニークですよねぇ。あんまりそういう風に音楽を作ろうとは思わないようなところから作ってるっていうのも面白いなあと思うんですけども。いかがでしたでしょうか。」

オーディション・コーナーで紹介した作品はこのサイトでも試聴できます。またコーナーは、全体を世界へ向けてポッドキャスティングでインターネット配信しています。すでに著作権管理団体に登録している作品の応募は受け付けられませんので、オーディションに応募される方はご注意下さい。

※オーディション応募作品をじっくりと聴けるポッドキャスティングは近々このサイトにUPされます。お楽しみに!
RADIO SAKAMOTOオーディションに御応募頂いたデモ作品にまつわる個人情報の管理、作品の管理は、J-WAVEのプライバシー・ポリシーに準じております。詳細は、こちらを御確認ください。

■『ソナー・レイキャヴィーク2014』土産、
 エコバックと手帳、鉛筆をセットにして1名の方にプレゼント!

今回は、アイスランドの『ソナー・レイキャヴィーク2014』土産、エコバックと手帳、鉛筆をセットにして1名の方にプレゼントします。

番組の感想やメッセージも、ぜひお書き添えのうえ、コチラからご応募ください(教授と番組スタッフ一同、楽しみにさせていただいてます)。当選者の発表は、発送をもって代えさせていただきます。