




<今回のナビゲーターは、小説家の平野啓一郎さん。>
「平野啓一郎です。坂本龍一さんが2ヶ月に一度お届けしている、J-WAVE レディオ・サカモト。今回の放送も、坂本さんが療養中の為、お休みとなります。代わりに私、小説家の平野啓一郎がお届けしていきます。」
「坂本さんの音楽というのは本当に、僕の世代は子供の時から、もう意識するとしないと問わずですね、もう耳に親しんできてまして、まあYMOでの活動ももちろんそうですし、その後、坂本龍一名義の音楽もたくさん聴きました。映画もね、好きで観てると坂本さんが手掛けられた音楽があって、非常にもう親しみがあったんですが、ご本人にお目にかかる機会はなかなかなくてですね。2020年にラジオ番組で一度対談させて頂きまして、実際にお目にかかると、ああ、本物だ。っていう感じがしたんですけども。その時は、三島由紀夫だとか、或いはジャズピアニストのビル・エヴァンスの話なんかをさせて頂きました。で、坂本さんのお父様っていうのはですね、ファンの方はよくご存知かもしれませんが、坂本一亀さんっていう非常に有名な、伝説的な文芸編集者でして、三島由紀夫のですね、「仮面の告白」という作品を書かせたということで文学史にも名高いですね、お父様なんですけども。私の業界ではよく知られている人で、そんな話なんかもその時にはさせて頂きました。」
<平野啓一郎さんの小説『ある男』が映画化、まもなく公開>
「まずは少し、私自身の近況報告をさせて頂きたいんですが、私が2018年に発表しました小説、『ある男』が映画化されまして、今月18日に全国で公開されます。この後お迎えする亀石倫子さんと同じ職業、弁護士が主人公となっている作品ですね。少しだけ物語の内容を紹介いたしますと、まあ主人公である弁護士の城戸という男性がですね、以前依頼のあった里枝という女性から、改めて相談を受けることになるんですが、この里枝さんという女性が結婚していた相手が、まあ夫ですね、亡くなった後に、どうも自分が信じていたのと全然違う人だったということが発覚するんですね。まあ仮にXと呼ばれる男性なんですが、まあ彼が亡くなった後に、そのXのお兄さんって人が訪ねてきて、遺影を見て「これうちの弟じゃないですよ」と言うんですね。で、じゃあいったい自分は、誰と結婚していたんだろうと、いうことが分からなくなって、まあそれを弁護士の城戸に相談するんですね。で、城戸は弁護士として、このXの身元調査を始めるんですが、まあその過程で、えー彼自身のですね、えー在日三世としての出自を含めてですね、自分とは何かっていう、非常に複雑な問題に向き合わざるを得なくなっていくと。で、最終的にはXっていうのが誰だったのかってことに向けて物語は進んでいくんですけども、同時に私達のアイデンティティだとかですね、愛だとか、そういった問題についての深いテーマですね。段々辿り着いていくというような物語になっています。で、映画のキャッチコピーは、"愛したはずの夫は、全くの別人でした" というものになってまして、弁護士の城戸役は妻夫木聡さんが演じてくださっています。原作の小説はですね、読売文学賞という賞を頂きまして、幸いなことに、現在累計30万部を突破して、まあ非常に多くの方に親しんで頂いています。これを機にですね、原作、あるいは映画、ぜひお楽しみください。」
<対談:平野啓一郎×亀石倫子「冤罪について。」>
平野「J-WAVE レディオ・サカモト。今夜の放送は、私、小説家の平野啓一郎がお届けしています。ここからは、ゲストをお迎えします。弁護士の亀石倫子さんです。こんばんは。」
亀石「こんばんは。亀石です。よろしくお願いします。」
平野「よろしくお願いします。今日はリモートということなんですけど、ご自宅からですか。」
亀石「はい、大阪の自宅からになります。」
平野「はい、よろしくお願いします。簡単に亀石さんご紹介しますと、北海道生まれで現在は大阪在住。元々は企業で働かれたんですけども、34歳の時に司法試験を受けられて合格。その後、刑事事件を中心に経験を積まれていまして、2016年に事務所を開設と。で特に、亀石さん……有名になったのは、2017年に大阪府警による、令状なしでのGPS端末を使った捜査が違法であるという最高裁判決を、主任弁護人として導かれたということで、当時は記者会見などもずいぶんと開かれてましたけども、その経緯はですね、「刑事弁護人」という講談社から出ている新書にもまとめられてまして、こちらは、新田匡央さんという方との共著になってますが、この本は非常に面白くてですね、えーまあそもそもどういう事件だったかっていうような語り出しからもう非常にドラマチックでスリリングで。しかしまあ、中ではなぜ刑事弁護という職業が必要なのかっていうことを、非常に強く主張されてますよね。」
亀石「はい、ありがとうございます。本当に、あの時からもう5年経ったんだなぁって思うんですけれど。」
平野「はい。」
亀石「やっぱりなかなか理解されにくいというか、なんで、あんな悪い人達の弁護するのっていう感じに受け止められることが多いんですけど、やっぱりこう適正な手続きを守るっていう、どうしても権力っていうのは正義のために暴走するっていう側面があるので、それをこう監視してというか、ちゃんとプロセスをきちんとするっていうところに、私たちの役割があるのかなっていうふうに思っていて、まさに……令状を取らずにGPSを取り付けた捜査っていうのは、そういうプロセスの適正を守るっていう意味では、意味のあった仕事だなという風に思います。」
平野「やっぱりこう感覚的には、今おっしゃったように、何で悪い人たちの味方になるんだ、みたいな見方が刑事弁護人とはされますけど、実際この本で取り上げられてる容疑者の人達もやってることは悪いんですよね(笑)。あの、なかなか共感できないような窃盗団で、最初はまあ、その人達がいかに盗みを繰り返したかってことがずっと書かれていて。」
亀石「うん。」
平野「ただ、まあそれで、その人たちが逮捕された後、亀石さんが担当になるわけですけど、その時に容疑者の側から、実はそのGPSを勝手に車に付けられていて、行動が全部把握されていたと。でまあちょっと、泳がせ捜査のようなこともあのされていて、そんなことやっていいんですかっていうなことを亀石さん……あの弁護人に尋ねたところから、え?ってことになって始まっていくんですね。」
亀石「はい。」
平野「で、まあ本当にね、悪いことやった人達なんだから、そんぐらいしていいんじゃないっていう風にずるずるっと思いがちなんだけど、本当にそれでいいの?っていうなことを確認するところからこう始まっていくわけですね。」
亀石「そうですね。何かその、悪い人たちをそういう形で監視しなければ、私たちの社会の安全とか守られないっていう風に多くの人は思うと思うんですけど、ただ、そういうことができるっていうことにしてしまうと、誰に取り付けられるか分からないんで、もしかしたらそれが自分かもしれないし、だからそういう意味では、裁判所の令状が必要なんじゃないか……野放しにそういう権限を与えてしまうと、やっぱり私たちのプライバシーというのが守られなくなるんじゃないかっていう、そういう一方では懸念があるんですよね。」
平野「うん。まあ僕たち、やっぱり法システムの中で生きてるので、それが適正に運用されないと、結局は僕たち自身の生活も脅かされると。」
亀石「そうなんですよね。」
平野「ですから、まあ犯罪ってのは、非常にその中で象徴的な出来事だけど、まさにその時にこそ、どんなに一見悪い人に見える人たちの事件であっても、システム自体はやっぱ適正に運用されなきゃいけないっていうところで、刑事弁護人っていう人たちが非常に重要な役割を果たしてっていうのが、具体的にスリリングに、非常によく分かる本で、皆さんぜひ読んでいただきたいんですけども。」
亀石「ありがとうございます。」
平野「まあそれでその、犯罪事件に弁護人として関わるっていう中で、まあこの刑事弁護人の中では、その窃盗団の人たちはもう罪は認めていると。」
亀石「はい。」
平野「で、それについては争わないんだけど、捜査の仕方に問題があるんじゃないかってことを問題にしていたんですが、一方で、実際には罪は犯してないんじゃないかっていう人たちが逮捕されて裁判で有罪判決を受けるっていうな出来事も起きていて、まあこれが俗に冤罪と言われることなんですけども、亀石さんが今、熱心に取り組まれていることの一つが、この冤罪についての取り組みということなんですよね。」
亀石「そうなんです。あの、イノセンス・プロジェクトって言いまして、元々は1990年代にアメリカで始まった民間の活動だったんですね。」
平野「はい。」
亀石「で、例えばアメリカでは、DNA鑑定によって真犯人じゃないことが分かるっていうケースがすごく多いんですよ。」
平野「なるほど、うん。」
亀石「で、そういう活動を、例えばロー・スクールであったりとか、弁護士の事務所を拠点に、アメリカで60ぐらいの団体が、冤罪を明らかにするという活動を始めたっていうのがきっかけなんですね。で、アメリカではなんとこれまでに、3000人以上の人がこのイノセンス・プロジェクトの活動によって、冤罪が晴らされてるんですよ。」
平野「恐ろしいですね。3000人ってのはもう、とんでもない数ですね、うん。」
亀石「そうなんですよ。とんでもない数で、さらに恐ろしいことには、この中に死刑が確定してた人が21人いるんですよね。」
平野「うーん。」
亀石「それぐらいやっぱりアメリカで冤罪で、死刑であったりとか懲役何年っていう刑を受けてる人がそれだけ多かったってことなんですけど、このイノセンス・プロジェクトの活動によって、例えば死刑判決が確定した人に、DNA鑑定を受ける権利を認める法律ができたりとか。それから証拠を保存する制度を定めた法律ができたりとか。あと死刑を廃止する動き……あの、各州ごとに違いますけれども、そういう動きが広がったりして、これがイノセンス革命って呼ばれていて。活動によって、すごく刑事司法が変わっていってるっていうのがアメリカであるんですよ。」
平野「うーん。」
亀石「その動きがアジアとかヨーロッパとか中南米とか世界中に広がっていって、その流れで2016年にできたのが、イノセンス・プロジェクト・ジャパンっていうことで、その活動にいま参加して頑張っています。」
平野「まあその、犯罪……とか犯罪容疑者なるっていうようなことは、多くの人が日常の中ではちょっと自分からは遠いことのような気がしていて、で、やっぱり悪いことをした人は悪いんだっていう風な、まあ普通はね、やっぱ思いがちですけど。でも冤罪なんてのは、本当に全く身に覚えのないことのために逮捕されて、おまけに死刑なんていうことになると、本当にちょっと想像すると……まあ時々やっぱ想像してみることあるんですけどね、僕も冤罪事件とかに関心があってこう、そういう人たちの具体的な状況とかを調べていく中で、もう想像すると本当に恐ろしくて……で、その時にこそまさに、やっぱり法の適正な運用っていうか、そういう状況になったとしても救われる道が開かれているっていうことは非常に重要で、その時にまあDNA鑑定だとか、科学的な方法で何とかその無罪が証明できるんであればね、僕たちが万が一そういう状況になった時にも、そんなおかしなことで命を奪われるっていうなことにならないっていう意味では、非常に重要な取り組みだと思うんですが。いくつかちょっとこう、いま伺ってて、知りたいと思ったことはたくさんあるんですけども、その90年代にアメリカで始まって、日本に導入されるまで、かなりタイムラグがありますけど……30年ほどですかね、それはちょっとどうして日本で、その動き対してこんなに出遅れてしまったんだろうかってのが関心があるんですけど。」
亀石「そうですね。一つは、ずっと2016年からずっとそうなんすけど、これ完全にボランティアの手弁当の活動なんですよ。」
平野「あ、なるほど、うん。」
亀石「アメリカだったら、ものすごい寄付文化だったりして、寄付によって成り立ってる活動なんですよね、これって。例えばニューヨークの一等地にビルの何フロアか借りて、で、イノセンス・プロジェクト自体が弁護士を何人も雇用して活動するぐらいの、それぐらい大きな規模でできるほどの寄付が集まるんですよね。」
平野「なるほど、うーん。」
亀石「はい。だから、予算があるわけなんですけれど。日本だと、なかなかそういうことにならないですよね。なので、やるとしたら本当にこうボランティアで手弁当で始めるしかないっていうところがあって。で、これを京都を中心として、あの大学の先生方とか弁護士とか、まあ研究者の人たちが始めた、というのが最初だったんですけど、なかなかこれ始めるにも勇気がいることだったと思うんですよね。そういう予算的な問題があります。」
平野「プロジェクト自身は、そのアメリカでの動きってのは、亀石さんは早くからご存知だったんですか。」
亀石「いえ、私これ知ったのは本当に結構最近のことでして、イノセンス・プロジェクト・ジャパンが立ち上がってから知ったっていうぐらい遅かったんですよ。」
平野「はい。なるほど。じゃあ法曹界でも、必ずしも皆が知っていることではなかったと。」
亀石「そうなんです。」
平野「うーん。まあ結局、その資金面の問題ってのは日本の場合どうしてもあって、クラウドファンディングってな形で協力者を募るっていうようなことも行われていて、僕もあの非常に少額ですけども、ちょっと協力させていただきましたけども。」
亀石「ありがとうございます。本当助かります。」
平野「いまね、お話を聞かれて関心のある方は、ぜひちょっとそのサイトなどチェックしていただきたいんですが、もう一つ興味深かったのはDNA鑑定によって冤罪が発覚するっていうことがあったという風に伺いましたけど、これはちょっとあの、日本の冤罪事件に関しては逆のこともあって、例えば足利事件だとか、飯塚事件だとか、冤罪あるいは冤罪が疑われる事件において、実はDNA鑑定……当時はやっぱり科学的な捜査手法だっていうんで、あの信じられていたDNA鑑定自体に問題があったんじゃないか。あるいはその部分的な切り取りのような形で、非常にそれが不公平な形で、証拠として用いられたんじゃないかってことが、非常に大きな問題になりましたけれども、この辺の話はいかがでしょうか。」
亀石「あの、おっしゃる通りでして、科学としての精度が低かったり、まだその科学としての、その手法が確立していないがために、これが証拠だとされるものが、一見科学的であるからこそ信じられてしまうっていうのもあると思うんですよね。」
平野「はい。」
亀石「で、冤罪が生まれるメカニズムとして、やっぱりこう、嘘の自白を取られることが多いんですけど、その嘘の自白に沿うような証拠が作られていくっていうのはあると思うんですよね。」
平野「うんうん。」
亀石「ひどいケースだと、袴田事件とかで疑われている証拠の捏造というのありますけれど、捏造とまでいかなくてもですね、一見科学的に見えるような嘘の自白を裏付けるような証拠が、捜査機関によって作られるってことはあって、こっちもこう科学で対抗していかなきゃいけない、ということが非常に多いですね。」
平野「うーん。アメリカでは、でもその90年代から科学的なそのDNA鑑定などで、むしろ冤罪事件が発覚していったっていうなことをおっしゃっていましたけど、そういう意味では、法的にはちょっと向こうの方が技術的に進んでいたんですかね。その……足利事件とかの頃にも、日本でDNA鑑定ってのが導入されていて、その制度っていうのが問題になってきている、ということなんですけども。」
亀石「そうでしょうね。なんか、すいません。そこあんまり分からない。ごめんなさい。」
平野「あぁはい、分かりました。うん。まあ警察組織、まあ検察っていう権力っていうのは、やっぱ本当のことをいうと、公正に、安定的に機能をしてもらわないと社会にとって困りますし、その市民社会と警察権力がやっぱ不信感を募らせて対立していくと、本当にますます状況は悪くなっていきますし、まあアメリカなんかで起こってる黒人に対する警察の態度とか、で、それに対する、お互いに銃持ってるんじゃないか、銃で撃たれるんじゃないかっていう緊張関係の中で、非常にこう由々しき事件なんかも起きていて、Black Lives Matterなんて運動なんかも起こりましたけど、やっぱり日本でもそういうふうになってしまうと困るし、警察っていうのは本当に健全に機能して欲しいなっていうふうに僕は思うんですけど。ただまあ、実際の冤罪事件なんかを僕も関心があって、特に「決壊」という小説を書いた時に、いろいろ取材をしていて、そうするといま亀石さんもおっしゃってましたけど、自白に基づいて本当に証拠がこう……検察側のストーリーに沿って、まあ採用された不採用になったり、あるいはもう捏造されてるっていうようなケースまであって、ちょっと一般の人は、こう日本の警察、検察に対して普通に抱いてる信頼からすると、ショッキングな事例ってのは、実は冤罪事件を見ていくと、かなりありますよね。」
亀石「そうですね、これ、ややこしいのは、捜査機関だって "正義感でやってる" ってところなんですよね。」
平野「うーん、なるほど。」
亀石「やっぱり事件が起こった時に、犯人を見つけなきゃいけないと。で、そうしないと市民が安心できないし、で、犯人を逮捕して、これを解決しなければ治安が守られないんだっていう正義感があるんですよね。」
平野「うん。」
亀石「で、やっぱり私、冤罪が生まれる一番最初っていうのは、その見込み捜査……警察の。やっぱり間違った見立てですよね。そういう間違ったストーリーを最初に作ってしまって、そこに突っ走ってしまうと。でもそれは正義感に基づいているので、本当はやったのにやってないと言ってるとか、黙秘しているとなると、どうやってそれを引き出そうかって、やっぱりそれ必死になりますよね。そういう中で、何としてでもっていう形で嘘の自白を取って、かつ、それに沿うような証拠を集めたりとか、で、さらに悪いのはですね、一旦この自白が取られると、それを非常に重視する自白偏重っていうのが裁判官にもあるんですよね。」
平野「うーん。検察だけじゃなくて、裁判官にもあると。」
亀石「そうなんです。裁判官にもあるし、いま私たち一般市民が裁判員っていう形で裁判に参加するようになったじゃないですか。」
平野「はいはい。」
亀石「私たち市民の間にも、やってもいないのに自白するなんていうことがあるはずがないという思い込みがあると思うんですね。だから、いったん自白をしてしまうと、やっぱりこう何て言うかバイアスがかかってしまって、それに沿うような証拠に見えてしまうという側面もあると思うんです。」
平野「うんうん。」
亀石「あの、それをピックアップした、ピックアップされたいくつかの断片であったとしても、それはユーザーの方向に見えてしまうというバイアスがかかってしまうっていうのもあると思うんですよね。だから冤罪を作り上げていくのは、最初はその捜査機関の見込み捜査だったかもしれないんだけれど、やっぱり裁判官であったり、私たち一般市民であったり、メディアであったり、みんながやったに違いないっていう思い込みを持ってしまうっていうところが大きいのかなと思うんですよね。」
平野「そうですね。もうこの問題は本当に複雑で、メディアもやっぱり新聞にせよ、テレビのニュースにせよ、警察からの発表だとか、まあ取材を通じて事件の報道をするので、そうすると警察側もこういうふうに自供してるっていうことを、あの実際は自供をどういうふうにしてるかっていうのはね……新聞者の人が直接、聞くことはできないんだけど、警察側からのリークとかいう形で、もうあの、そんな文章で自白しないだろうっていうような非常に整った文章で、こうこうこういうことで自供してるっていうようなことで報道されると、やっぱり見てる側も、わ、認めてるんだと。いう風な印象になりますし、それから、被害に遭われた方々ってのは本当に悲惨だと思いますし、まあその方たちに対してはね、もう非常に強い同情の気持ちをみんな抱きますけど、彼らがやっぱりずっと、その事件に巻き込まれてから接触し続けるのが、警察側、検察側の人たちなので、その人たちとのやり取りの中で、やっぱり犯人が捕まってってなると、その、あの人、あるいはあの人たちが法のもとに裁かれてほしいって思いが強くなるので、無罪判決なんか出ると、やっぱり気持ちのやり場がなくなってしまうっていうか、じゃあ一体誰がやったんだっていうような……あるいは裁判自体を不公正と感じてしまったりとか、非常に幾人もの当事者の感情がこう複雑に絡み合っていて、警察も本当に最後まで正義感でやってるのかもしれないし……あいつは犯人だ、っていうね。あるいはどっかでもう引っ込みがつかなくなってしまってるのかもしれないし、なかなか、表面的にメディアを通じて見てるのとは、違ったこう界ってのは広がってるっていうのは、僕も少し調べていく中で、いつも感じることなんですよね。」
亀石「いや本当に、何て言うか、冤罪っていうのは、こうやって、人によって人為的に作られていくんだなっていう風に実感していて、そこが何ていうかある意味、すごく物語的でもあるなと思うんですけれど、だけど、こうやって人によって人為的に作られていくからこそ、じゃあ、それが冤罪だっていうことを晴らすためには、科学の力がすごく大事だなっていう風に思うんですね。」
平野「うんうん。」
亀石「で、それは、医学とか化学とかだけではなくて、法学とか心理学であったりとか、ま、いかにしてその偏見だとか思い込みっていうことから離れて、科学的に正しいことが何なのかっていうのを追求するのが、この活動の肝でして、そこが私すごく大事だなと思うんですよね。」
平野「あの、多くの人がなかなかね、その、刑事事件のプロセスっていうのは想像がつかないところもあると思うんですけど、その科学的な立証が必要な時っていうのは、弁護士の人たちが、いきなりちょっとこう専門家の大学の先生とかにアプローチして、お願いします!みたいな感じで協力を仰ぐっていうようなことになるんですか。」
亀石「そうなんですよ。まずいろいろ調べるんですね、専門的なことを。弁護士だから素人なので科学に関しては。だから、まずは一旦いろいろ調べて、で、どの先生であれば、どの研究者であれば、どういう力を貸していただけるのかっていうのもリサーチするんですね、いろいろと。そこにツテがなければ、まずお手紙を出したりするところから始まって、で、実は今こういう事件をやっていてっていうことで、一度話をしてもらえませんかっていう感じでお願いするんですけれど。」
平野「うん。」
亀石「あの実はですね、みんな言ってるんだけど、国側、捜査機関側、検察側には協力するけれども、弁護側には協力しないって人もいるんですよ。だからそういう意味でも、私たちにとってとてもハードルが高いというか、協力してくれる研究者を探すっていうのも、とても大変なんですね。」
平野「なるほど。司法に関わった経験のないような研究者の方にもアプローチするっていうことですかね、そうなると。」
亀石「それもあります。」
平野「うーん。なかなか、まあそういう意味ではこう……交渉力というか人間力というか、そういうようなことも結構重要になってくるってことですよね。」
亀石「そうですね。で、その方がどこにどういう論文を書かれているかとか、いろんなことを、私たちも付け焼刃ながら一生懸命勉強して、あの瞬間風速的には、その時すごく詳しくはなるんですけれど、で、やっぱり研究者の方々とお話をする上で最低限の知識を持ってお話しないといけないので、勉強して私たちを信頼してもらって協力していただくっていう、それもなかなか大変なことなんですよね。」
平野「うーん。あの、まあ、冤罪事件全体に関わるこのイノセンス・プロジェクト・ジャパンに亀石さんも関わってらっしゃるんですが、亀石さんがまた弁護士活動として具体的に深くコミットされてる事件として大崎事件という事件がありまして……これも非常に重要な、ある意味象徴的な事件なんですけども、少しどういう事件か、またどういった経緯で亀石さんが関わるようになられたのか、お話いただけますか。」
亀石「はい。大崎事件というのは、鹿児島の大崎町という、すごく小さな農村の町で40数年前に起きた事件なんですけれども。ある40代の男性が亡くなって、牛小屋の堆肥の中から発見されたっていうのが最初なんですよね。」
平野「はい。」
亀石「で、その兄弟と兄弟の妻に当たる人たちが逮捕されまして、その長男の妻が原口アヤ子さんという方なんですけども、この人が主犯格で兄弟達を巻き込んで皆で殺したと、そういうストーリーにされてしまった事件なんですね。」
平野「はい。」
亀石「で、その確定した裁判ではどういう事実認定がされたかというと、皆でタオルで首を絞めて殺したという風にされていたんですけど、何もこう、タオルも見つかっていなければ、それを目撃した人もいなければ、その足跡であったり指紋であったり、そういったことも何もない中での、ご遺体の首の状況からの推測でしかなかったんですよね。だけど、それで原口アヤ子さんは有罪判決を受けて、服役までするんですけれども、ずっと一貫して自分はやっていないんだっていうことを主張されていて、再審請求という裁判のやり直しを求めて、今も争っているっていう事件なんですけれど、あの、この結局死因なんですね。これが一番、あの重要でして。」
平野「はい。」
亀石「首に損傷があるんですけれども、その後、様々なお医者さんがそれを鑑定……鑑定といいますか、遺体を解剖した時の写真であったりとか、いろんなものに基づいて鑑定したところ、その、これはタオルで首を絞めたことによるその死ではなくて。」
平野「はい。」
亀石「その直前にこの亡くなった方が、深さ1メートル程の側溝に自転車ごと転落しているっていう事故に遭ってるんですけれども。その事故に遭った時に、頸椎を損傷して、そのことによって腸から大量の出血をしているっていうことが分かって、それにより亡くなったんではないかっていうことが、40年経って医学も進歩して、当時は分からなかった医学の知見によって明らかになってきているんですね。」
平野「はい。」
亀石「で、そうすると、タオルで首を絞めて殺したっていう事実自体がなかったんじゃないかと。その事故によって亡くなったそのご遺体を、まあ何らかの、何者かによって遺棄されたという、そういう事件だったんじゃないかってことが、段々分かってきて。で、今もその裁判のやり直しを求めて争っているっていう事件なんですね。で、まさに科学の知見によって、新たな事実が分かってきたっていう段階になっています。」
平野「まあ、ちょっと少しお話伺ってると、タオルで首絞めるっていうのと、その側溝に落ちて、首、頚椎を損傷するっていうのは、全く違う死因のように感じられますけど、それで、その捜査が、その首を絞めてっていう方向で進んでったってのも、元々はやはり自白に基づいて、そういうストーリーになっていったっていうことなんでしょうか。」
亀石「大崎事件の場合は、これすごく珍しいんですけれども、一度も自白をしていないんですよね。」
平野「うん。」
亀石「で、自白がない中で、やっぱり決定的にそのタオルで首を絞めて殺したという鑑定が重視されたという形なんですけれども、実はこの鑑定したお医者さんは、直前に側溝に落ちる事故に遭ったという事実を知らされずに鑑定をしてたっていうことが後に分かりまして。」
平野「なるほど。」
亀石「で、はい。その事故に遭ったことを知らされた上で、改めて鑑定をしたら、これは事故による死なのか、それとも事件なのか分からないっていう鑑定に変えてるんですよね。」
平野「うーん。」
亀石「なので、知っておくべき事実を知らされずに鑑定をしたために誤った鑑定になったっていうケースなんですよね。」
平野「うーん。まあ普通だと、僕たちが信頼する捜査のイメージだと、あ、実はお医者さんはそれを知らなかったんだと。で、後から事故か事件か分からないって言ってるんだから軌道修正しましょうっていう風になってくれると信じたいんですけど、そうなるとなかなか捜査も後戻りできないと……いうことになってしまうんですかね。」
亀石「そうですね。あの、その鑑定医が、鑑定を事件か事故か分からないという鑑定に……実は1回、あの再審開始決定が出てるんです。」
平野「はい、うん。」
亀石「出てるんですけれど、これに対して検察側は即時抗告と言って不服の申し立てをして、またひっくり返ってしまったっていうのがありまして。やっぱり一度、その起訴したものは、絶対にそれは有罪にしなければいけないし、それが覆されてはいけないんだっていう捜査機関側には何か面子のようなものがあるのかなという風には思いますね。」
平野「亀石さん、弁護士の立場からご覧になってて、その警察側のあるいは検察側のその、捜査機関の仕組み自体ですよね。一度そういうことが起こると、まあ起訴した以上は有罪にしなきゃいけないっていう。その制度改革っていうのがやっぱり必要なんじゃないかと思うんですけど、これはなかなか法曹界でも進んでいかない問題なんですかね。」
亀石「あの、おっしゃる通りで、例えば、イノセンス革命によってアメリカでも、検察庁の内部で、なぜ冤罪が起きるのか、どうしたらそれを改善できるのかっていう動きがあったりとか、あと台湾でもですね、かつてのたくさん冤罪が生まれた原因が何だったのかっていうことに検察が取り組んでいるんですよね。で、そういう動きが日本でも起こるべきなんですけれども、なぜか日本はそれがなくて、一度起訴したものは絶対に正しいんだっていう姿勢を崩していない、と。それが何かその検察に対する国民の信頼に応えることなんだと思っているようなんですけれど、逆だと思うんですよね。」
平野「うんうん。」
亀石「やっぱり冤罪を生んだということは、その原因が何であったのか。で、二度と冤罪を生まないように、どう組織を改革していかなきゃいけないかってことに取り組むことこそが、国民の信頼に応えることだと思うんですけれど、日本はそうなってないんですよね。」
平野「あの、ひところ、その取調室の可視化だとか、まあいくつかその改革がなされているっていうような報道を知ったリスナーの方もいると思うんですけど、その辺の制度改革についての、亀石さんの評価はどうですか。十分、不十分含めて。」
亀石「まだまだ不十分だと思っていて、取り調べの録音、録画っていうことが始まりましたけど、裁判員裁判の対象になるような重大な事件に限られてるっていうのもありますし、いま私たちが求めているのは、取り調べに弁護人が立ち会うっていうことを求めているんですね。」
平野「はい。」
亀石「それも非常に強く抵抗していると……いうような感じなんですけど。そんな弁護人が立ち会っていたら、その本当のことを喋るはずがないっていうことでね、非常に強く抵抗していると。なので、なかなかそこは諸外国のようには進んでいない、遅れているっていうのが実情ですね。」
平野「やっぱりこの問題も、悪いことした容疑者がその味方をつけて……っていうようなイメージってよりも、自分がもし誤認逮捕されてしまったりっていうなところから想像すると、やっぱり弁護士の人に立ち会ってもらわないと、ちょっととてもじゃないけど恐ろしいとかっていうような、こう状況の想像の仕方みたいなのも、改革には、改革を後押しする世論には必要なんじゃないかなという風に思いますね。」
平野「そうですね。私たちこういう風に外にいるから、自分がやってなかったら絶対自白なんてしないとか、黙秘を貫けるって風に思うんですけど、密室で1日に10時間近く2人っきりで、あるいは相手は2人いるっていう中で、ずっと問い詰められ、かつ、誰か自分にとっての大事な人に迷惑がかかるかもしれないっていうような揺さぶりをかけられた時に、それでも黙っていられるかとか、それでもそのやってもないことを認めずにいられるかっていうと、なかなかそれって難しいことなんですよね。そこまでなかなか想像はつかないですけれど。」
平野「はい。でも、まあ最近ちょっとケースは違いますけど、カルト教団の勧誘っていうのが、よくメディアで報じられていて、まあその中でこうマインドコントロール的な手法が使われていると。で、やっぱり本人の意思に関わらず、段々こう引きずり込まれていくってことはあるんだっていうことに、多くの人が理解を示すようになってますけど、もちろんその、供述取ったりするっていうのはマインドコントロールではないのかもしれないんですけど、要するに状況が、ある状況が設定されて、ある関係が設定されると、やっぱりこう、自分でも思いがけず自白をしてしまうとか、そういうことになりうるっていうようなことが、もしかするとちょっとこう、理解が広がっていくタイミングなのかもしれないですよね。」
亀石「そうですね。あの、まさに例えば、あの滋賀県で起きた湖東記念病院事件で、西山美香さんという看護助手の方が、嘘の自白をさせられた事件があったんですけど、自分の一番の理解者がこの人だっていう風に思わせるんですね、その取調官がですね。で、西山美香さんは兄弟とかと比べられて劣等感を持っていたんだけど、そこに付け込んで、君は賢いよとか、君はいい子だよっていう風に、自分の一番の理解者であるという風に思わせて、好意を持たせるんですよね。で、本当は禁止されているんですけれど、美香さんの好きな飲み物を差し入れしたりですとか、そういう利益供与をして。」
平野「そこまでですか。」
亀石「この人の言うことを聞いておけば、私は大丈夫なんだっていう風に思わせて、嘘の自白をさせるっていうことまでするんですね。本当に心理を利用してるな、という風に思いますね。」
平野「うーん。まああの、冤罪事件の場合、最も取り返しがつかないのが、やっぱり死刑判決が出るような事件だと思うんですけど、僕も実はちょっと前に「死刑について」って本を出しまして、これはあの、亀石さんも所属されている大阪弁護士会の企画で、実は招かれて、死刑、日本ではまだまだ存置派……死刑制度に賛成してる人たちの方が、調査なんかしますと圧倒的に多いんですが、僕は一応反対を表明していて、まあそういう人があまり多くないっていうんで、大阪弁護士会の方からお声がけをいただきまして。」
亀石「ありがとうございます。」
平野「いえいえいえ。、講演をして、それがちょっと書籍化されたんですけども。死刑に反対する理由は色々たくさんあって本の中にも書いたんですけど、やっぱり冤罪というのも非常に大きな理由の一つでして、そういう意味では、とにかく非常に単純ですけど、やってないことのために国家権力に殺されてしまうってのは恐ろしいことだし、まあその先にもう少し考え進めると、そもそも国家が1人の人間の命を奪うっていうことはどうなのかっていうな、根本的な問いにもに辿り着くんじゃないかなという風に思うんですが、亀石さんご自身は死刑についていろいろ思うところもあると思うんですが、いかがですか、制度に対して。」
亀石「私も実は弁護士になったばかりの時は、死刑っていうのは仕方がないのかなっていう風に思っていたんですね。で、その仕方がないの一番の理由は、もし自分の家族が例えば殺されたりした時に、その犯人に対して自分はやっぱり死刑を望むんじゃないかっていう風に思っていて。」
平野「はい。」
亀石「で、そういうご遺族の気持ちを考えると、仕方がないものだと。積極的に賛成でないにしても、と思っていたんですね。でも自分がこういう刑事弁護っていう仕事に関わって、国家権力が時に正義感に基づいて暴走するとか、そのプロセスをきちんと監視しなければ、誤ったプロセスで人に刑罰が科されてしまうんだってことを、自分の身をもって経験した時に、自分はそうやって国家権力に対して懐疑的な立場で仕事をしているのに、なぜ自分の家族が殺された時だけ、国家権力による殺人というものを、手放しに、容認して、任せるのかっていうところに矛盾を感じたんですよね。」
平野「うん、なるほど。はい。」
亀石「だから、そこだけなんかこう自分で都合のいいように、そこだけ国家権力に任せるのか、殺人をさせるのかっていうところで、やっぱり自分の気持ちの中で折り合いがつかなくなったっていうのがあります。それで今は私も平野さんと同じで、死刑制度には反対という立場になりました。」
平野「はい。あの、アンケートなんかでも死刑制度に賛成ですか、反対ですかっていうのを聞く時に、賛成の人に対しては、あの……やむを得ないっていう聞き方で、まあそういう聞き方をするとやっぱり賛成だっていう人がいますけど、どうしても増えてしまいますけど、もうちょっと聞き方を変えると調査結果も違うんじゃないかっていうような意見もありますし、僕自身も実は亀石さんとちょっと近くて、最初は、まあやむを得ないという気がしていたんですけど、段々やっぱり考えが変わっていって、僕はあの文学者としての立場から段々そういう風に思うようになってたんですが、そういう意味では、皆さんもこの問題は、やっぱり非常に感情的になりがちな問題で、絶対自分の考え変わらないって思われてる方でも、結構やっぱり、司法の実態とか捜査の実態だとか、あるいはそもそも国家権力っていうのは市民にとって何なのかっていうことを考えていく中で、考え変わるっていう可能性も非常にありますので、ぜひちょっと、この機会に改めて考えてもらえたらなと思ってる問題です。」
平野「まあ非常にいろいろ多岐に渡ってお話を伺って、もっともっとお話を伺いたいところなんですが、残念ながら、そろそろお別れの時間のようです。で、亀石さん何か、これまでの話とは別に、お知らせ等があれば、せっかくなんでお話いただきたいんですが、いかがでしょうか。」
亀石「はい、ありがとうございます。先程お話しましたイノセンス・プロジェクト・ジャパンなんですけども、寄付によって成り立つ活動でして、10月いっぱいクラウドファンディングをやっていたんですけど、11月以降も引き続き継続寄付を募っております。マンスリーサポーターという形で、継続的なご寄付であったりとか、もちろんその都度のご寄付というのも、イノセンス・プロジェクト・ジャパンのホームページの方で募っております。ぜひ私たちの活動を、理解し支えてくださる方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いします。」
平野「はい。ホームページだけでもね、せっかくの機会ですので、ぜひ皆さんご覧になってください。この時間は、弁護士の亀石倫子さんをお迎えしました。どうもありがとうございました。」
亀石「ありがとうございました。」



<デモテープオーディション – U-zhaan, 長嶋りかこ, 蓮沼執太>
U-zhaan「J-WAVE レディオ・サカモト。ここからは僕、U-zhaanと、」
長嶋「長嶋りかこと、」
蓮沼「蓮沼執太でお届けします。」
U-zhaan「今回も、いつも通り全員リモートでの審査となります。えー、皆さん、お元気ですか。」
一同「…………」
蓮沼「元気です!」
長嶋「元気です!はっはっは。元気でーす!!」
U-zhaan「今のものすごい遅延だったわけじゃなくて、あれだよね。」
蓮沼「間ですね。」
U-zhaan「待っちゃっただけですよね。」
蓮沼「そうそうそう。」
長嶋「どっちに言ってるのかなと思っちゃった。リスナーかな、私達かなって思っちゃった。」
U-zhaan「私達のつもりだったんですけどね。」
蓮沼「そうだよね。そう思ったから。」
長嶋「(笑)」
U-zhaan「あと、あの蓮沼さんには、ものすごくいっぱい会ってるので。」
蓮沼「そうですね。」
長嶋「あそうなんだ。」
U-zhaan「どちらかというと長嶋さんに聞いた。蓮沼さんと、とんでもない本数のライブをしてたんで。」
長嶋「あ、そうなんだー。」
U-zhaan「うん。とんでもないっていうか、僕らにしてはとんでもなく多いなっていう。毎週末のようにライブしてたんで。」
長嶋「ふーん。」
U-zhaan「鳥取日帰りってのが一番しんどかったですね。」
蓮沼「いや、楽しかったですね?」
U-zhaan「いやあの楽しかったけど、工程的には結構……帰れるんだ1日で!? っていう驚きがありましたね。」
蓮沼「うんうん。」
長嶋「そうなんだ。それ飛行機ですよね?」
U-zhaan「はい、そうです。」
蓮沼「はい。」
U-zhaan「長嶋さんはどんな生活をしてましたか?」
長嶋「あ、私はねちょっと、あ、ほら尾道行くって言ってたじゃないすか。」
U-zhaan「はい。」
長嶋「尾道行って、その次の週は丸亀の美術館でトークがあって、その週だけ2週間連続で出張だったんだけど、私もそれだけでもしんどかった。まぁ子連れだったからってのもあるけど。2人はいつもこうやって、いろんなとこ行ってんだなって。」
U-zhaan「荷物も多いし大変ですよ。」
長嶋「本当だよね。」
U-zhaan「丸亀行って、うどんとか食べました?」
長嶋「あ、一応1食だけ食べた。」
U-zhaan「そっか。僕も香川県にうどん食べに先月行ってました。」
長嶋「うん。え。うどんを食べに?」
U-zhaan「うどんの為ですね。で、なんかちょうど、その香川県に行ってる時に、その、教授のライブの発表があって。」
長嶋「あぁ。」
U-zhaan「12月の。」
長嶋「うん。」
U-zhaan「チケットで、皆で観るやつあったじゃないすか。」
長嶋「うん。」
蓮沼「うんうん。」
U-zhaan「そのやつの発売の日が香川県にいたんで、ホテルで発売時刻に待機して、チケットを買って見に行こうと思ったんすけど、もう1秒で売り切れてましたね。」
蓮沼「1秒か。」
長嶋「すごい。」
U-zhaan「なった瞬間に押したら、そのちょっと高い方みたいなチケットを買ってみようと思ったんすけど、そんなには値が変わんなかったんで。もうマジでなかったですね、瞬間で。」
長嶋「私あっちを買いました。その、そっちじゃない方。」
U-zhaan「それはいつでも買えるもんね。」
長嶋「うん。うふふふ。」
U-zhaan「いやぁ…。そんなに1秒とかで売り切れちゃうんだなと思って。」
長嶋「すごいねぇ。」
U-zhaan「うん。」
長嶋「そうだよね。」
U-zhaan「その僕が買った時には、まだノーマルチケットみたいなやつの方は、ノーマルっていうか、そのみんなで見るやつの、ライブビューイングのノーマルチケットまだあったんですけど、そっちに直したらもうなくなってたんで、もう全部が一分以内に売り切れてましたね、うん。」
蓮沼「そうなんだ。」
U-zhaan「って訳で観られないんですけど。」
蓮沼「なんかそれは、どこかで観に行くっていう感じのやつだよね。うんうん。」
U-zhaan「町田で観るみたいな、みんなで。」
蓮沼「あーそっかそっか。」
U-zhaan「やっぱり、でもなんか、そういう環境で見た方が集中できるし。家で1人で観てると、突然宅急便が来たりとかしちゃうから。」
蓮沼「うんうん。」
U-zhaan「行きたかったんですけど、しょうがないので、家で観ることになりますけど。」
長嶋「うふふふ。」
蓮沼「楽しみですね。」
U-zhaan「うん、楽しみです。さて今回は、この2ヶ月の間に応募頂いた、約200作品くらいの中から審査していきました。」
蓮沼「僕は今回は割と、U-zhaanとりかこさんと、ほぼ一緒でしたね、選んでた曲が。」
長嶋「あほんとですか。」
U-zhaan「うん、そうですね。僕はその他には、"波のよう" さん、"蔡若楠" さん、"岸本正高" さん、そういう曲を選んでましたね。いい作品ばかりでしたね。」
蓮沼「ね!楽しかったです。」
長嶋「うん。」


音楽ジャンルのオーディションが、音楽配信代行サービス「BIG UP!」と連携しました。

■音楽作品
「BIG UP!」のアカウントからエントリーをお願いします(「BIG UP!」での配信を希望される場合、そちらの登録も必要です)。
審査通過者には、副賞として「BIG UP!」のベーシックプランでの配信利用料が無料になるクーポンを贈呈いたします。



■音楽以外の作品
今まで通りノンジャンルで受け付けています。作品はファイルのアップロードのほか、YouTubeのURLを指定しての投稿も受け付けます。
詳しくは、エントリーフォーム内の応募要項をお読みください。

 |
|

番組サイト内エントリーフォームより御応募頂いた作品にまつわる個人情報の管理、作品の管理は、J-WAVEのプライバシー・ポリシーに準じております。詳細は、こちらを御確認ください。 |
|

<坂本龍一:プレイリスト「RadiSaka2022-11」>
今回も番組のために教授が選曲したプレイリストを29分間ノンストップでオンエアしました。Spotifyに、プレイリスト「RadiSaka2022-11」としてもアップしています。

|